スズキ自動車は1999年5月、1997年にリリースしたコンパクト・ハイトワゴン「ワゴンRワイド」の後継車種となる「ワゴンR+(プラス)」を発売しました。プラットフォームが一新され、走行性能や快適性など総合的なパフォーマンスが向上した他、全車にSRSデュアルエアバッグシステムやABS、ブレーキアシストが標準化されるなど安全装備の強化が図られました。
ワゴンRワイドからボディサイズを拡大
ボディタイプはワゴンRワイド同様オールヒンジ式ドアの5ドアハッチバックで、スタイリングは前年にフルモデルチェンジを受け2代目となった軽ハイトワゴン「ワゴンR」に類似したものとなりました。初期型のボディサイズは全長3,510mm×全幅1,620mm×全高1,660~1,675mmで、ワゴンRワイドから全長が110mm、全幅が45mm拡大された一方、全高は若干低く設定されました。
ホイールベースは25mm延長され2,360mmとなり、車両重量は大人1~2人分程重い910~970kgとなりました。サスペンション形式はフロント:マクファーソンストラット式/リア:I.T.L式が踏襲され、駆動方式も同様にFFとフルタイム4WDが設定されました。エンジンは、当初1L直4DOHCのK10A型がキャリオーバーされました。
従来同様NA仕様とターボ仕様が用意され、最高出力/最大トルクは前者が70ps/9.7kgm、後者が100ps/12.4kgmでした。トラスミッションは5速MTが廃止され、全車4速トルコン式ATに一本化されました。発売当初のグレード体系は、下からNAエンジン搭載の「XV」とターボエンジン搭載の「XT」の2タイプが基本で、更にXVにはLパッケージ/Sパッケージが設定されました。
1.3L車を追加し1L車は廃止に
そして2000年12月の一部改良により車名が「ワゴンRソリオ」に変更されると共に、1.3L直4DOHC NAのM13A型エンジン(最高出力88ps/最大トルク12kgm)+4速ATを搭載し、専用フロントマスクが備わる「1.3」が追加されました。同時に従来の1L車はターボ仕様が廃止され、NA仕様は改良を受け燃費が向上すると共に、グレード体系が「X」「21世紀記念スペシャル」の2タイプとなりました。
次いで2001年9月の仕様変更により、1L車のグレード体系が「X-Ⅱ」「SWT」の2タイプとなりました。続いて2002年6月の一部改良により、インパネやシートのデザインが刷新されると共にグレード体系が一新され、1L車は「1.0E」「1.0S」、1.3L車は「1.3SWT」と新デザインのフロントグリルなどが備わる「1.3WELL」のラインナップとなりました。
追って同年11月に再びラインナップの見直しが行われ、1L車が廃止になると共に1.3L車に新グレード「1.3E」「1.3WELL S」が追加されました。次いで2003年8月に1.3SWTが廃止された後、2004年4月に車名が「ソリオ」に変更されました。続いて2005年8月に一部改良が実施され、フェイスリフトやFF車の燃費・環境性能改善が図られると共に、1.3WELL Sがカタログ落ちしました。
そして2010年12月にフルモデルチェンジ実施され、2代目ソリオに移行しました。