1959年に「ダットサン1000乗用車」の後継車種として発売された日産自動車の小型車「ダットサン・ブルーバード」は、1967年8月に4年ぶり2度目のフルモデルチェンジを受け、3代目510型に移行しました。プラットフォームやエンジンが一新されると共にスタイリングもモダナイズされ、歴代ブルーバードで最も成功したモデルの一つとなりました。
4輪独立懸架サスを採用
ボディタイプは当初、先代同様2ドア/4ドアセダンと5ドアワゴン/バンが用意されました。スタイリングは、「スーパーソニックライン」と呼ばれるシャープなフォルムの採用や三角窓の廃止により、大幅なイメージチェンジが図られました。ボディサイズは全長4,120mm×全幅1,560mm×全高1,400mmで、全高を除き先代から一回り拡大されました。
又、ホイールベースは40mm延長され2,420mmとなりました。サスペンション形式は、それまでのフロント:ダブルウィッシュボーン式/リア:リジッド・リーフ式から、フロント:ストラット式/リア:セミトレーリングアーム・コイル式による4輪独立懸架に一新されました。駆動方式はFRを踏襲し、エンジンは先代の直4OHVユニットから新開発された直4SOHCユニットL型に置換されました。
当初用意されたのは、1.3Lシングルキャブレター仕様のL13型(最高出力72ps/最大トルク10.5kgm)と、1.6L SUツインキャブレター仕様のL16型(最高出力100ps/最大トルク13.5kgm)の2種類でした。トランスミッションは、3速/4速MTとボルグワーナー製3速トルコン式ATが設定されました。
当初のグレード体系は、セダンにSTD/DX/1600SSSが、バンにSTD/DXが用意され、ワゴンはグレード名無しのモノグレード設定でした。そして1968年10月のマイナーチェンジでフェイスリフトが実施されると共に、L16型シングルキャブレター仕様エンジン(最高出力92ps/最大トルク13.2kgm)搭載の「ダイナミックシリーズ」が追加されました。
クーペや1.8L車を追加
追って翌11月には、歴代モデル初となる2ドアクーペが追加になりました。次いで1969年4月にATが自社製に変更され、同年8月の2度目のマイナーチェンジではインパネが衝撃吸収式に変更されると共に、新グレード「スポーツ1600」が追加されました。続いて1970年9月の3度目のマイナーチェンジにより、フェイスリフトと共にエンジンの置換及び新グレードの追加が実施されました。
L13型エンジンに代わり1.4Lシングルキャブレター仕様のL14型エンジン(最高出力85ps/最大トルク11.8kgm)が設定された他、1.8LのL18型エンジン・シングルキャブレター仕様(最高出力105ps/最大トルク15kgm)を搭載する「1800GL」と、同SUツインキャブレター仕様(最高出力110ps/最大トルク15.5kgm)を搭載する「1800SSS」が追加されました。
そして1971年8月に後継車種の610型「ブルーバードU」が発売されたものの、510型も翌9月に内外装変更やバリエーションの縮小(クーペと1.8L車を廃止)を受けた上で1972年12月まで継続販売されました。
先代モデル:2代目ダットサン ブルーバード
後継モデル:4代目ダットサン ブルーバードU