電気自動車で田舎に帰省したらどうなるか。試してみたくなった
嫁さんの実家がある広島県三次市。現在、我が家は横浜在住なので、いつも帰省は広島駅まで新幹線で向かい、そこからレンタカーを借りて帰っている。
で、この「レンタカー」がポイントで、ちょっと乗ってみたいクルマを借りてます。これまで、トヨタ・ヴィッツ、パッソ、ラクティス、マツダ・デミオなどの定番コンパクトカーを始め、プリウス、アクアなどのハイブリッドカーを借りたりして、道中を「ちょっと」だけ楽しめるようにしてきました。
今年のお盆も帰省のスケジュールが決まり、いつものようにレンタカー探しをしていたんですが、面白い企画を見つけました。
日産のカーウィングス体験キャンペーン
内容の説明は省略しますが、要は日産リーフが期間中はマーチクラスと同じ値段で借りられます、というキャンペーンです。
今回はこのキャンペーンを使って日産リーフで帰省しよう!!という決断をしました(笑)スケジュールは8月13日~15日というお盆真っ只中。ナツ真っ盛りです。電気自動車については、なんとなくの知識しかない。航続距離は160㎞くらい行けるんだったっけ。確かディーラーで急速充電できるんだよね。そのくらいの知識で、この計画が始まりました。
無事にたどり着けるのか?
日産リーフのホームページで充電スポットを探すと、目的地である広島県三次市の日産ディーラーに急速充電スポットがあるのを確認。だいたい広島駅からそこまでは70キロくらいなので、なんとかなりそう。さっそくカーウイングスに電話した所、お盆にも関わらず(お盆だからか??)リーフの予約が可能という事で、予約。受付のお兄さんいわく「エアコン使用した場合、走行距離は90キロくらいです」との事。ちょっと余裕は少ないけど、何とかなりそうだ(楽天家)という訳でリーフを予約!!
期待と不安の入り混じったリーフ生活1日目
日産リーフとご対面
13:40分、新幹線で時間通り広島駅に到着。日産レンタカーに向かう。店舗につくと、自分の借りる車両(水色メタ)とは別にもう一台、黒のリーフがあった。けっこう需要あるのかな。
受付のお兄さんに「電気自動車初めてなんで、一通り教えてください」と伝えたら、「わかりました!」と言われたが、手続きが終わって、クルマに向かうと、「それでは、お気をつけて!!」って…。(おいおい。初めてだって言ってるだろ…。)自分の身は自分で守らないといけないと思い、あれこれ質問したが、忙しいのか早口で「走行はコレね、あとバッテリー残量ココです、これはね、あれはね…」と、早口で言われて、殆ど頭に入らず…。大丈夫かな、おい。レンタカー屋を出る時の走行可能距離は158kmだった。
いよいよ広島駅を出発!
なにはともあれ、いよいよ出発である。ナビをセットし、駅で待っていた家族と合流。目的地までの距離は68km。余裕だねこりゃ、と思いながらメーターの走行可能距離を見ると149kmに減っていた…。
え?まだ600mしか走ってないんですけど…。少し不安が脳裏をよぎる…。
出発して早くも不安マックス状態に
いざ広島駅を出て三次市へ。特に渋滞はなく、スムーズに市内を抜ける。走り始めて10分ほどで上り坂に入った。チラチラとメーターを見ていたら、異常に気付く。なんか、めっちゃ走行可能距離減ってるんですけど…。
上り坂が終わった時には、走行距離9.1kmで走行可能距離が86kmとなった…。こんなに減ってしまうとは…。これからまだ60㎞は走らなければならないのに、こんなペースで減ってしまって大丈夫なんだろうか。
下り坂から平坦路に移ると走行可能距離は一気に回復
走り始めから10km足らずで衝撃的な変化を見せた走行可能距離メータだけど、下り坂から平坦路に移っていくと、みるみる回復していった。さっき上り坂終了時点で撮影した後5.6㎞走行したら、走行可能距離は27㎞改善した。なんか、笑ってしまうというか、エエ加減にしろよと言うか。
上りで一気に電気を奪われた分、下りで回生され、かなりの回復を見せた。ゴールまでの距離は55㎞程度に対して走行可能距離は113㎞なので、これなら充電スポットまでたどり着けそうだな、と安堵感に包まれた。
そこから先は順調そのもの。もともと交通量も少なく、信号に引っかかることもない田舎道を颯爽と走行した。途中、道の駅でトイレ休憩をはさみ、一路、三次市へ。トイレ休憩で一つ発見。
車庫入れでシフトのセレクターレバーをひんぱんにイジっていたら、メーターのドライブモードに「ECO」の文字が。同時に走行可能距離が1割程度伸びるじゃないか。
そう言えばディーラーのお兄さんが早口で「ECOモードが…」とかなんとか言ってたなぁ…(汗)
ECOモードはシフトレバーをDに入れ、もう一回Dに入れるとECOモードに切り替わる。これ、メンドクサイ。乗る度に切り替えるって使いにくいと思う。操作方法がわかったとしても、ECOモードは独立してボタンにした方がいいと思う。いちいち走行シーンに応じて頻繁にモードを切り替える人、殆どいないんじゃないかな。
さて、三次市への道中は基本的に平坦で、最後に市内付近に入る時に一山超えるものの、下り坂での回生具合がなんとなく分かっていたし、ECOモードの使用方法もわかった。あとは粛々とゴールを目指す。そして数十分後、三次市内に到着。充電は急速と言えども30分掛かるので、家族を近くのスーパーに降ろし、日産ディーラーへと向かった。
初の急速充電を体験
充電ができるディーラーはナビに登録されているので、ディーラーにはスムーズに到着できた。しかし、そこでちょっとした問題発生。すでに充電しているクルマが…(印象悪いので写真撮影ナシ)
自分の車を充電待ち30分でも長いのに、プラス30分待ちとは…、ちょっとブルー入っていると、すぐに充電していた人が帰って行った!
たまたま充電が終わったのか、それとも気を使って譲ってくれたのか分からないけど、とにかくラッキー。充電スポットにクルマを移動して、急速充電スタート。
お盆などディーラーが休みの際には、充電スポットを無料開放してくれている。なので、充電待ちさえなければ快適そのもの、と言いたいが、何もない所で30分待つのは退屈である。とてつもなく暑いし。充電途中でわかったんだけど、充電中でもクルマの電源が入るのでエアコンが使用できる。これはありがたい。でも、今回は充電を優先して、外でのんびり待つことにした。
のんびり待っていると、またリーフが一台、充電待ちに現れた!まだ10分くらいしか経過していない時だったので、あと20分待つのかなと思ったら、5分くらいで帰ってしまった。近所の人だろうか。それにしても意外とリーフの普及率高いなぁ。
充電開始から約30分で、85%までの充電が完了。家族をスーパーまで迎えに行って、本日の最終地点、妻の実家へ。実家は市内から22㎞程の距離にあり、なおかつ結構山を登るが、充電がこれだけあれば大丈夫だろう。
実家に無事到着!
こうして走行距離93㎞、充電時間も含め、およそ3時間のドライブが終了。ラスト3㎞は殆ど上り坂だったので、走行可能距離はみるみる減少し50㎞となった。
数えきれないほど往復した広島市内→三次の実家だけど、今回は稀にみるスリリングなドライブになった。慣れてしまえばリーフは良い車だなぁと思った1日目でした。
リーフにだいぶ慣れてきた2日目
帰省の中日となる2日目。「今日は乗る機会がないかな?」と思っていたが、義兄家族が今日昼過ぎに帰ってしまうという事で、何かコンパクトなイベントを組めないかと考え、渓流釣りに行って見ることにしました。スマホで渓流釣りを探すと、三次市内を抜けてすぐの所にあるのを発見。午前中はそこに行きました。
渓流釣り場までのドライブ
渓流釣り場までは約25kmの道のり。出発時の走行可能距離は50㎞ですが、実家は標高が高く当分は下り坂である事を考えると余裕なハズ。走行可能距離に対してだいぶ感覚が掴めてきたので、2日目は余裕です。
釣り場まで30分弱。快適なドライブをして到着しました。釣りをする予定で行きましたが、当日は水温が高く釣れにくいとの事で、山女の掴み取りをしました。
掴み取りした山女をその場で塩焼きと唐揚げにしてもらい、子供たちと食べました。子供たちは初めての経験でとても喜んでくれたので、連れて来た甲斐がありました。あまり時間もないので、釣り場を後にして、復路です。
2回目の充電
2回目の充電も1日目と同様、家族と甥っこをスーパーに下し、三次市内の日産プリンスで急速充電をさせて頂きました。
1回目の使用で基本操作は分かったので、2回目はスムーズに準備が出来ました。充電器の操作画面をよく見たら、充電方法の種類が選べるようになっており、メニューの中に100%充電も選べるようになっていたので、今回はそれでやってみました。
約30分後、充電完了になったので、画面を見ると、100%にはなっておらず、89%で充電が止まっていました。あまり調べていないので、この辺の仕様はよくわかりません…。でも、必要な量は充電できているので、充電は終わりにしました。ちなみに、今回は他の人との充電はバッティングしませんでした。
スマホの充電と音楽視聴が可能
充電待ちの間、暇だったので(笑)、車内を眺めていたら、USB端子を発見。USBケーブルを持っていたので繋いだら、ちゃんと充電できました。また、スマホの中にMP3(音楽データ)が入っていたので、USBストレージ接続にしたら、ナビがちゃんと認識して音楽が聞けました。田舎でラジオが満足に聞けなかったのでとてもありがたいですね。ついでに充電もできるし。
スーパーで家族たちを乗せて、実家に戻りました。特に大きなハラハラドキドキはなく、電気自動車と過ごす2日目は無事終了しました。
3日目。電気自動車との旅も最終日
3日目、いよいよ広島市内に帰る日となりました。義父母に挨拶をして午前中に実家を出ました。今日は約70㎞の長距離(電気自動車にとっては)を走るので、3回目の充電をします。今回は1、2回目の日産ディーラーではなく、三次市内にもう一つある急速充電スポット「三次ワイナリー」に行きました。三次ワイナリーは市内で取れたブドウから作ったワインを醸造し、その場で試飲もできる三次市内でも人気のお土産スポットとなっています。
3回目の充電
三次ワイナリーに到着すると、「EV車充電できます」(だったかな??)といった内容のノボリが出ていました。でも、駐車場を見渡しても充電スポットは見当たらず…。妻に頼んで店内に聞きに行ってもらいました。充電スポットは一般の駐車場ではなく、関係者用の駐車スペースにありました。
日産ディーラーにある充電器とは違うタイプで、プラグを指すのに若干戸惑いましたが、充電開始しました。充電完了まで約55分と出ました。
でもここはゆったりとお土産を選びながら待てるので非常に助かります。しかも充電料は無料。ありがたい。
お土産を買って、ソフトクリームを食べてゆっくりしていると、充電完了。今回は満充電に設定していたので、98%まで充電できました。ECOモードでの走行可能距離は145㎞。これだけあれば十分、広島市内に帰れます。今回も充電のバッティングはありませんでした。
復路はアッサリ。
ほぼ満充電できたこと、特に渋滞もなかったこと、そして何より大きいのはリーフの特性に慣れた事で帰りのドライブはノーストレスで走りきる事が出来ました。
レンタカー店に返却時のバッテリー残量はほぼ半分程度残っており、ほぼ三次ワイナリー出発時の走行可能距離通りの使用量でした。行きの時の混乱はどこへやら…。
バッテリーの特性を掴めば非常にイイ車。
かくして、3日間で235㎞を走った日産リーフ。乗り始めこそ大混乱だったものの、走行可能距離の変化に慣れてしまえば非常にイイ車でした。まず乗り始めに感じるのは圧倒的な静かさ。エンジン音は当たり前だけどしません。それだけじゃなく、ロードノイズがとても低い。遮音性もソコソコ高いのと相まって、走行シーンによってはクラウンなどの高級車よりも静かだと思います。
乗り心地はとてもソフトで、フランス車のよう。とても上品です。加速性能も申し分なし。踏めばすぐに太いトルクで加速できるので後続車を気にすることはないです。(バッテリー残量は気になりますが…。)内装は明るいベージュ系でまとめられており、エンジン音がない事もあり、電車に乗ってるの感覚に近いかもしれません。
トランクも十分な大きさ
電気自動車と言えば大きなバッテリーによって、トランクが狭くなる事が危惧されますが、一般的なスーツケースが3つ入る程度のスペースはありました。ただ、リヤシートの後ろに壁(バッテリーかな?)があり、ワゴンのような使い方はちょっと期待薄です。
ドライバーズシートの座り心地は良いんですが、リヤシートはダメでした。前述の壁による影響か、腰あたりが沈み込まず、ゆったり座れませんでした。リヤシートは大人の長距離ドライブはしんどいと思います。
やっぱり気になるバッテリー問題
「リーフを購入する!」っていう目線で見た場合、どうしても避けて通れないのは走行可能距離です。今回ドライブした広島県の三次市では急速充電スポットが少なく、充電がバッティングする事もありました。
家で充電できれば問題ないのですが、出先で電気がなくなると立ち往生してしまいます。一般的なガソリン車を運転する場合、だいたい満タンで400㎞位は走れるので、満タンにした後に走行可能距離を気にするという事はまずないですが、リーフの場合、これがキモとなります。また、出先の充電スポットの場所、種類、利用時間などを予め調べておく必要があります。
セカンドカーとしては欲しいかも
では、自分のマイカーとして欲しいか?と言えば、セカンドカーなら…。という印象です。現在、横浜の分譲マンションに住んでいるので、駐車場で充電する事ができないし、充電できる施設ができる可能性はほぼ0です。(分譲マンションはお金が掛かる事は住民の多数決で決まり、ほぼ反対されるため。)ただ、急速充電できる日産のディーラーが歩いていける距離にあり、有料会員サービスに入ることで日常の充電は賄えるかもしれません。
でも、急に夜中にドライブ行きたくなったりする性格なので(笑)、あらかじめ充電とか、あらかじめ充電スポットを調べるなどの几帳面な行動ができません…。そうは言いつつも、魅力的な機械なのでセカンドカーとしては欲しいなぁ、と思いました。
非常に多くの事を考えさせてくれた、日産リーフでの旅でした。
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