GMは2005年、H1/H2に続くハマー・ブランド第3弾モデルとして、同ブランド最小となるSUV「H3」を発売しました。ピックアップトラック「シボレー・コロラド」用のシャシーをベースにH2よりも一回りコンパクトなボディが架装され、エンジンも相対的に小排気量のユニットが搭載されました。性格的には、H1/H2よりもオンロード性能重視となっていました。
H2からボディを大幅に小型・軽量化
ボディタイプは当初5ドアステーションワゴンのみの設定で、スタイリングはスクエアなフォルムやメッキ仕上げのフロントグリルなどH2の雰囲気を踏襲しつつ、張り出した前後フェンダーなど独自のデザインテイストも取り入れられました。ボディサイズは全長4,742mm×全幅1,896mm×全高1,893mmで、H2に対し429mm×166mm×104mm小さいディメンションでした。
又、ホイールベースは272mm短い2,845mmで、車両重量は700kg以上軽い2,100~2,200kgでした。その他、最低地上高はH2の257mmに対し216mmとなった一方で、最小回転半径5.65mの優れた取り回し性が付加されました。駆動方式はH1/H2同様のフルタイム4WDで、エンジンは当初3.5L直5DOHCガソリンNA(最高出力220ps/最大トルク31kgm)が搭載されました。
トランスミッションは5速MTが標準で、オプションで4速トルコン式ATが用意されました。サスペンション形式はH2と異なっており、フロントがSLAトーションバー式、リアがマルチリーフ式でした。又、ステアリング形式はH2のリサーキュレーティングボール式に対し、ラック&ピニオン式が採用されました。
V8エンジン搭載車を追加
ブレーキは4輪ソリッド・ディスク式で、ホイール&タイヤは7.5J×16インチホイールとP265/75R16オールテレインタイヤの組み合わせでした。その後2007年に排気量が3.7Lに拡大され、アウトプットが最高出力245ps/最大トルク33.5kgmに向上した他、新たに5.3L V8OHVガソリンNAエンジン(最高出力305ps/最大トルク44.3kgm)を搭載する「H3 ALPHA」が追加されました。
次いで2008年、「H3T」と呼ばれる4ドアダブルキャブピックアップトラック仕様が追加されました。そして2010年のハマー・ブランド廃止に伴い、H2共々生産終了となりました。H3の日本市場初上陸は2005年6月で、当初用意された標準グレード「タイプS」と上級グレード「タイプG」はいずれも左ハンドル仕様でした。
その後2008年1月にエンジンが3.7Lに置換されると共に、グレード体系がベースグレード/ラグジュアリー/アドベンチャーの3タイプとなった他、ベースグレード/ラグジュアリーに右ハンドル仕様車が設定されました。更に同年8月、5.3Lエンジン搭載の最上級グレード「V8」(左ハンドル仕様のみ)が追加されました。
次いで2009年1月の仕様変更により、装備の充実化が図られると共にボディカラーに新色が追加されました。同時にアドベンチャーがカタログ落ちしたものの、翌2月にアドベンチャーをベースとした20台限定の特別仕様車「アドベンチャークロームエディション」が設定されました。