1976年にフォード・モーター(フォード・ヨーロッパ)初のハッチバック・コンパクトカーとしたデビューした「フィエスタ」は、2度のフルモデルチェンジとマイナーチェンジを受けた後、2002年のフルモデルチェンジによりMKⅤに移行しました。プラットフォームは、傘下に収めていたマツダの2代目「デミオ」と共通のDYプラットフォームが採用されました。
ボディを一回り拡大
ボディタイプは先代同様、3ドア/5ドアの乗用モデルの他に3ドアのパネルバンもラインナップされました。スタイリングはそれまでの台形基調を脱し、曲線基調の流麗なフォルムに変貌しました。ボディサイズは全長3,917mm×全幅1,683mm×全高1,417mmで、MKⅣからそれぞれ89mm×49mm×97mm拡大されました。又、ホイールベースも41mm延長され2,487mmとなりました。
駆動方式はFFを踏襲し、エンジンは当初、ガソリンは先代からキャリオーバーされた1.3L直4SOHC(最高出力60ps又は68ps/最大トルク11kgm)と、DOHC化された1.4L直4(最高出力80ps/最大トルク13kgm)及び1.6L直4(最高出力100ps/最大トルク14.6kgm)が、ディーゼルは1.8L直4ターボに代わり1.4L直4DOHCターボ(最高出力68ps/最大トルク16.3kgm)が用意されました。
トランスミッションは5速MTの他、ガソリン/ディーゼル1.4L車に「デュラシフト」と呼ばれる5速AMTが、1.6Lに4速トルコン式ATが設定されました。サスペンション形式は、フロントはストラット式を踏襲し、リアはトレーリングアーム式からツイストビーム式に変更されました。又、ブレーキはフロントのディスクブレーキがベンチテーテッド型にアップグレードされました。
3ドアのホットハッチ「ST」を設定
安全装備面ではABSが標準化されると共に、SRSエアバッグシステムが運転席に加え助手席にも装備されました。その後2004年に、ガソリン1.25L直4SOHC(最高出力75ps/最大トルク11.2kgm)及び2L直4DOHC(最高出力150ps/最大トルク19.4kgm)、1.6L直4ディーゼルターボ(最高出力90ps/最大トルク20.8kgm)の3種類のエンジンが追加されました。
これらの内、2Lユニットは3ドアボディのホットハッチ「ST」に搭載され、5速MTとの組み合わせにより最高速度208km/hの性能を発揮しました。更に同年、南米市場向けに4ドアセダンが追加されました。
2005年にフェイスリフト
2005年のフェイスリフトで内外装デザインが変更されると共に、横滑り防止装置「ESP」が採用されるなど装備の充実化が図られました。
そして2008年にフルモデルチェンジが実施され、4代目MKⅥに移行しました。
2004年4月に日本にも導入
MKⅤ型フォーカスは欧州でのデビューから遅れる事約2年の2004年4月に日本市場への導入が開始されました。当初用意されたグレードは1.6Lエンジン+4速AT搭載5ドアの「GLX」「ギア」の2タイプで、翌2005年5月にSTが追加されました。
関連:2代目デミオ