フォード・モーターは1965年8月、「ジープ・CJ-5」や「インターナショナルハーベスタ・スカウト」への対応モデルとなるクロカン四駆「ブロンコ」を発表、翌1966年に販売を開始しました。のちに通称「アーリー・ブロンコ」と呼ばれるようになったこの初代モデルは、コンパクトかつシンプルなボディと、悪路走破性の高さが特徴でした。
3種類のボディを用意
独立したラダーフレーム式シャシーに架装されるボディは、当初4人乗りメタルトップ仕様のワゴン、2人又は4人乗りオープントップ仕様の「ロードスター」、オープントップ・ピックアップトラック仕様の「スポーツユーティリティ」の3タイプが用意されました。エクステリアは面と線で構成されたスクエアな造形を持つ他、各ウィンドウには平面ガラスが用いられました。
ボディ・ディメンションは全長3,863mm×全幅1,755mm×全高1,809mm、ホイールベース2,336mmで、ジープ・CJ-5よりは一回り大きかったものの、アメリカ車としては小型にまとめられていました。サスペンションは4輪リジッド・アクスル式で、スプリングはフロントがコイル式、リアがリーフ式でした。又、ブレーキは当初4輪ドラム式が採用されました。
駆動方式はパートタイム4WDで、当初採用されたパワートレインは、乗用車「ファルコン」にも搭載される2.8L直6OHVエンジン(最高出力105hp/最大トルク21.8kgm)と、副変速機付きコラム式3速MTの組み合わせでした。当初はモノグレード設定で、オプションでフリーホイールハブやウインチ、エアコン、タコメーターなどが用意されました。
V8エンジンを追加
そして翌1966年、4.7L V8OHVエンジン(最高出力200hp/最大トルク39kgm)がオプション設定され、追って1967年に内外装に加飾を施した上級グレード「スポーツ」が追加されました。そして1968年に不人気だったロードスターが廃止され、1969年にはオプションのV8エンジンが4.9L(最高出力205hp/最大トルク41.5kgm)に変更しました。
次いで1972年、エンジンに排出ガス規制対策が施され、アウトプットが直6は最高出力82hp/最大トルク17.9kgm、V8は最高出力140hp/最大トルク31.8kgmへと大きく低下しました。又、同じ年にスポーツをベースに仕様向上を図った最上級グレード「レンジャー」が追加されました。次いで翌1973年、3速トルコン式ATとパワーステアリングがオプション設定されました。
又、この年に標準の直6エンジンが3.3L(最高出力84hp/最大トルク20.9kgm)に置換されたものの、翌1974年に廃止され、強化された排出ガス規制に対応した4.9L V8エンジン(最高出力125hp/最大トルク30.4kgm)が標準化されました。続いて1976年、フロントブレーキのディスク化などのリファインが施されました。そして1978年にフルモデルチェンジが実施され、2代目モデルに移行しました。