ゼネラルモーターズ(GM)は1991年、「キャデラック」ブランドの高級セダン「セビル」に6年ぶり3度目のフルモデルチェンジを実施し、4代目モデルに移行させました。プラットフォームが刷新されると同時に、先代でダウンサイジング化が推し進められたボディが大幅に拡大されたことが特徴でした。また、スタイリングもそれまでのイメージが一新されました。
リア・サスペンションを変更
ボディタイプはそれまでと同様4ドアセダンのみの設定で、エクステリア・デザインはA/Cピラーの傾斜が強められるとともに、水平基調のフロントグリルの採用によりスマートなイメージに変貌しました。ボディサイズは全長5,310mm×全幅1,890mm×全高1,372mmで、先代から二回りほど拡大されました。また、ホイールベースも延長され2,819mmとなりました。
駆動方式はFFを踏襲し、エンジンも先代後期型に搭載された4.9L V8OHV(最高出力203ps/最大トルク38kgm)がキャリオーバーされました。組み合わせられるトランスミッションは従来同様の4速トルコン式ATで、最高速度193km/h・0-60mph加速8.1sの性能を発揮しました。サスペンション形式は、先代の4輪ストラット式からリアがダブルウィッシュボーン式に変更されました。
ブレーキは先代同様フロントがベンチレーテッド型の4輪ディスク式で、安全装備面も引き続き運転席SRSエアバッグシステムやABSが標準装備されました。グレード体系は、標準グレード「ラグジュアリーセダン(SLS)」と上級グレード「ツーリングセダン(STS)」の2タイプがラインナップされました。
エンジンをDOHC32バルブに置換
その後1993年に、ツーリングセダンのエンジンが4.6L V8DOHC32バルブ仕様のL37型「ノーススター」(最高出力299ps/最大トルク40.1kgm)に置換され、パフォーマンスが最高速度241km/h・0-60mph加速7.5sに向上しました。追って1994年には、ラグジュアリーセダンのエンジンが同じ4.6L V8DOHC32バルブ仕様のLD8型ノーススター(最高出力274ps/最大トルク41.4kgm)に置換されました。
そして1997年にフルモデルチェンジが実施され、5代目モデルに移行しました。4代目セビルは、日本市場には1991年10月に初上陸を果たしました。導入されたグレードは当初ツーリングセダンのみで、左ハンドル仕様のみの設定でした。装備面では、16インチアルミホイールやレザーシート&運転席パワーシート、クルーズコントロールなどが標準装備されました。
その後、1992年11月にエンジンが4.6Lに置換されるとともに、トラクションコントロールや助手席SRSエアバッグシステムが採用されました。次いで1995年10月にツーリングセダンが追加され、さらに翌1996年10月にはラグジュアリーセダンに「Eパッケージ」が設定されました。