ゼネラルモーターズ(GM)は1974年9月、ビュイック・ブランドより新型サブコンパクトカー「スカイホーク」を発売しました。プラットフォームはシボレー・ブランドの「ベガ」などと共通の「GM Hプラットフォーム」で、ボディタイプは2+2シーター仕様の3ドアハッチバッククーペのみの設定でした。
エンジンは1種類のみ
スタイリングは、スラントした低いノーズや角型4灯式ヘッドランプ、ファストバックの流麗なフォルムを特徴としていました。ボディ・ディメンションは全長4,555mm×全幅1,660mm×全高1,270mm、ホイールベース2,465mmで、ビュイック・ブランドのモデルとしては最小でした。また、車両重量も1,325kgと比較的軽量に抑えられていました。
駆動方式はコンベンショナルなFRで、エンジンは3.8L V6OHVロチェスター・シングルキャブレター仕様(最高出力112ps/最大トルク24.2kgm)が搭載されました。トランスミッションは4速MTが標準で、オプションで3速トルコン式ATが設定されました。サスペンション形式はフロントがコントロールアーム/コイル式、リアがトルクアーム/コイル式で、前後ともにスタビライザーが備わっていました。
ステアリング形式はロック・トゥ・ロック4.4回転のパワーアシスト付リサーキュレーティング・ボール式で、ブレーキは当初フロントにソリッド・ディスク式、リアにドラム式が採用されました。また、ホイール&タイヤは6J×13インチホイールとBR78-13タイヤの組み合わせが装着されました。そして翌1975年に、廉価版の「スカイホークS」が追加されました。
M/Cでエンジンのスペックが向上
次いで1976年、フロントのディスクブレーキがベンチレーテッド型にアップデートされたほか、5速MTとガラスサンルーフがオプション設定されました。追って翌1977年には、スライディング式サンルーフがオプション設定されました。続いて1978年にマイナーチェンジが実施され、ヘッドランプが角型2灯式に変更されるとともに、フロントグリルの意匠が一新されました。
同時に、エンジンのスペックが最高出力117ps/最大トルク26.2kgmに向上したほか、太い前後スタビライザーやワイドタイヤ、専用の内外装などが備わる「ロード・ホーク・パッケージ」がオプション設定されました。そして1979年に5速MT仕様が廃止されたのち、同年12月をもって生産終了となりました。2代目スカイホークが登場するのは、それから1年以上が経過した1982年2月のことでした。
初代スカイホークは、6年間での販売台数が12万台余りに留まるなど、商業的には十分な成功を収めることができませんでした。