ゼネラルモーターズ(GM)は2006年にGMCブランドより、「エンボイ」の後継モデルに位置付けられるとともに、同ブランド初のクロスオーバーSUVとなる「アカディア」をリリースしました。プラットフォームがそれまでのFRベースから、これも同ブランドとして初のFFベースの「GMT960プラットフォーム」に変更されたことが大きな特徴でした。
サスペンション形式を一新
ボディタイプはエンボイ同様5ドアのみの設定で、スタイリングは高められたベルトラインや太くなったCピラーなどにより、スポーティなイメージを強めたものとなりました。ボディサイズは全長5,108mm×全幅1,986mm×全高1,849mmで、エンボイの標準ボディ仕様から一回り拡大されました。また、ホイールベースもそれより150mm長い3,020mmに設定されました。
サスペンション形式は、フロントがダブルウィッシュボーン式からマクファーソンストラット式に、リアが5リンク・リジッド式からHリンク独立懸架式にそれぞれ変更されました。駆動方式はFFのほか4WDも設定され、エンジンは当初3.6L V6DOHCのLY7型(最高出力279ps/最大トルク34.7kgm)が搭載されました。
組み合わせられるトランスミッションは、6速トルコン式ATでした。また、ステアリング形式はラック&ピニオン式が採用されました。室内は3列シート仕様で、7人乗りと8人乗りが設定されました。装備面では、SRSデュアル&サイド&カーテンエアバッグシステムや、GM独自のテクマクティス・サービス「OnStar」が採用されました。
直噴エンジンに置換
グレード体系は、当初「SLE」と「SLT」の2タイプであったものの、2008年モデルで廉価版の「SL」が追加されました。その後2009年モデルで、エンジンが3.6L V6DOHC直噴のLLT型(最高出力292ps/最大トルク37.3kgm)に置換されました。次いで2011年モデルで、専用のエクステリアが備わる最上級グレード「デナリ」が追加されました。
続いて2013年モデルでフェイスリフトが実施され、内外装デザインが一新されました。続く2014年モデルでは、デナリに前方衝突警告システムと車線逸脱警告システムが追加されました。さらに2015年モデルでもデナリにアップグレードが施され、新たにステアリングホイール・ヒーターや20インチアルミホイールが採用されました。
FMCにより2代目に
そして2016年にフルモデルチェンジが実施され、2代目となりました。ボディサイズは全長4,917mm×全幅1,915mm×全高1,745mmのミディアムクラスに縮小され、同時にホイールベースも2,857mmまで短縮されました。エクステリア・デザインは、先代よりもモダンで躍動的なイメージに変貌しました。エンジンは、2.5L直4(LCV型)と3.6L V6(LGX型)の直噴ユニット2種類が用意されました。