光岡自動車は2005年7月、日産自動車のプレミアムセダンY50型「フーガ」をベースにクラシカルな外観に仕上げた新型「ガリュー(我流)」を発売しました。同年2月に販売終了となった「日産・セドリック」がベースの「ガリューⅡ」の後継モデルで、往年のロールス・ロイス製モデルを彷彿とさせるスタイリングを踏襲しながら装備の充実化などが図られました。
3.5L V6エンジンを新設定
ボディタイプは従来同様4ドアセダンのみのラインナップで、エクステリア・デザインはグリーンハウスなどをフーガと共通しながらも、縦型の大型グリル、メッキバンパー、丸型2灯式ヘッドランプなどを配したフロントまわりや、縦型リアコンビネーションランプ、メッキバンパーなどを配したリアまわりなどにより、まったく異なるイメージに仕立てられていました。
ボディサイズは全長5,000mm×全幅1,795mm×全高1,510mmで、先代から全長が短縮された一方、全幅と全高は拡大されました。また、ホイールベースは100mm延長され2,900mmとなりました。駆動方式はFRを踏襲し、エンジンは先代からキャリオーバーされた2.5L V6DOHCのほか、それまでの3L V6DOHCに代わり3.5L V6DOHCが用意されました。
スペックは、それぞれ最高出力210ps/最大トルク27kgm、最高出力280ps/最大トル37kgmとなっていました。トランスミッションは、従来の4速から5速に多段化されたトルコン式ATが組み合わせられました。サスペンション形式はフーガ同様のフロント:ダブルウィッシュボーン式/リア:マルチリンク式で、先代に対してはフロントが変更されました。
グレード体系は、2.5Lエンジン搭載の「250ST」と「250LX」、3.5Lエンジン搭載の「350LX」の3タイプのラインナップで、安全装備として全車にSRSデュアルエアバッグシステムやEBD&ブレーキアシスト付きABS、横滑り防止「VSC」などが標準装備されました。また、快適・豪華装備としては、全車に運転席パワーシートや本革巻きステアリングホイールなどが採用されました。
一部改良で装備を充実化
さらに250LX/350LXにはDVDナビゲーションシステムやバックビューモニター&サイドブラインドモニター、CDチェンジャー+6スピーカー付きプレミアムサウンドシステムなどが標準装備されました。また、オプションとして全車に電動ガラスサンルーフや本革シートなどが設定されました。その後2006年5月の一部改良により、装備の充実化が図られました。
次いで2008年1月に2度目の一部改良が実施され、リアバンパーやホイールの意匠変更と同時に350LXにSRSサイド&カーテンエアバッグシステムなどが標準化されました。また、グレード体系も見直され、3.5Lエンジン+フルタイム4WD仕様の「350LX 4WD」が追加された一方、250STは廃止されました。
追って翌2月、弟分となる「ガリュー2-04」が発売されたことにともない、車名が「ガリューⅢ」に変更されました。そして2010年7月をもって販売を終了、同年11月に「日産・ティアナ」をベースとした次期型「ガリュー」がリリースされました。