「フェラーリ」というネーミングを付けられた特別なモデルはどんな魅力を持っているのでしょうか?キーを回しエンジンをスタートさせると4気筒の1.4Lターボユニットは太いサウンドを放ちます。アイドリングでもタービンの音が混じっていて、レーシーなサウンドを演出しています。
素晴らしいサウンド
ブレーキを踏んだまま、センターコンソールに配置されるボタンの「1」を押すとローギアに入り、スロットルをゆっくりと踏み込むとスムーズにクラッチがつながってスタートします。レーシングカーを発進させるように、スロットルを5~10%開いてゆっくりとクラッチをミートさせると、まるでF40LMのような、タービン音が混じったサウンドがエグゾーストから聞こえてきます。信号待ちからスタートさせる際には、どれだけカッコいいサウンドを出せるのでしょうか?
アバルト695トリブートフェラーリのエグゾースト
2ペダルの5段MTは、AUTOモードとパドルを使ったマニュアルモードがチョイスできます。パドル位置は、ステアリングコラムに固定されるフェラーリと違い、F1やスーパーGTなどのレーシングカー同様、ステアリングに装着されています。これにより、車の挙動をコントロールしていてもステアリングから手を離さずにシフトチェンジが可能になります。
AUTOのシフトモードをチョイスしての走行は、ドライバーのイメージと違うタイミングで変速してしまい、シングルクラッチ特有の難しさを感じます。加速したいと思ったときにシフトチェンジされて勢いが中断されてしまうのは残念です。
しかしマニュアルモードに切り替えれば、シフトスピードが格段に速くなるだけでなく、逆にスムーズな印象を受けます。マニュアルの車をドライブするのと同じようにスロットルをコントロールしてあげれば、スムーズにシフトアップさせることも可能です。
エンジンのマップも2種類から選ぶことができSPORTモードに切り替えると、エンジンレスポンスが鋭さを増し、少ないスロットル開度で走らせることができます。ターボのブースト圧もノーマルに比べて高く設定されているのでその変化をすぐに感じることができます。
コントロール性の良さ
外観から感じられる元気な印象がドライビングする楽しさにも生きているトリブート・フェラーリ。シフトアップの度にパンパンとミスファイアさせる音がレーシングカーのようです。ブレンボの4ポッドブレーキは制動のキャパシティが充分以上で、驚くのはコントロールの良さです。
大きくなったペダル類の操作性は抜群で、フィーリングをしっかりと感じてコントロールできます。制動時の安定性も良く、フルブレーキングでもピッチングが少なく、前のめりになることはありません。姿勢が良いのでリアブレーキも使えているのか、ブレーキバランスも優秀です。