1994年に初代モデルがデビューしたアウディのフラッグシップサルーン「A8」は、2009年12月のフルモデルチェンジにより3代目の現行型となり、日本には2010年12月から導入が開始されました。先代からボディを大型化すると共に装備を更に充実、同時にパワートレインの改良により出力・燃費共に向上させるなど、全方位的な改善が図られました。
スタイリングは、先代譲りの端正さにアグレッシブな雰囲気が付加されたものとなっています。ボディのバリエーションは先代同様ショートとロングが用意され、サイズは全長5,145mm(ショート)/5,275mm(ロング)×全幅1,950mm×全高1,465mmで先代から一回り拡大、ホイールベースも延長されショートで2,990m、ロングで3,120mmとなっています。車両重量も先代から増加し、1,930~2,200kgとなっています。
エンジンは2種類でスタート
サスペンション形式はフロントが5リンク式、リアがトラペゾイダルリンク式で、「アダプティブエアサスペンション」が装備されます。発売当初日本に導入されたエンジン及びグレードは、ショートが3L V6スーパーチャージャー仕様(最高出力290ps/最大トルク42.8kgm)搭載の「3.0TFSIクワトロ」と、4.2L V8NA(最高出力372ps/最大トルク45.4kgm)搭載の「4.2FSIクワトロ」の2種類でした。
一方ロングは、4.2L V8NA搭載の「L4.2FSIクワトロ」のみが設定されました。全車トランスミッションは8速トルコン式ATで、駆動方式はフルタイム4WD「クワトロシステム」が採用されました。又、両エンジン共に先代から出力・トルクが向上した他、減速エネルギー回生機構の採用などにより燃費も向上しました。更に、3段階に走行モードを切り替えられる「アウディ・ドライブセレクト」も装備されました。
快適装備としては、全車にBOSE製サラウンドサウンドシステムが、更に「L4.2FSIクワトロ」には後席用の2台のディスプレイやDVDプレーヤーなどが備わる「リアシートエンターテインメントシステム」が標準装備されました。又、安全装備として、レーザーレーダーによる安全運転支援システム「アウディ・プレゼンスパッケージ」がオプション設定されました。
大排気量モデルやハイブリッドモデルを追加
そして2011年6月に、6.3L W12NAエンジン(最高出力500ps/最大トルク63.7kgm)を搭載するトップグレード「L W12クワトロ」が追加されました。次いで2012年9月に、「4.2FSIクワトロ」と「L4.2FSIクワトロ」のエンジンが4L V8ターボ(最高出力420ps/最大トルク61.2kgm)に置換され燃費が約20%向上、同時にグレード名が「4.0TFSIクワトロ」「L4.0TFSIクワトロ」に変更されました。
続いて2013年2月に、2L直4ターボエンジン(最高出力211ps/最大トルク35.7kgm)+モーター(最高出力54ps/最大トルク21.4kgm)のパラレル式ハイブリッドシステムを搭載するFF方式のショートモデル「A8ハイブリッド」が追加されました。そして2014年2月にマイナーチェンジを実施し、エクステリアの一部変更を行うと同時に、4L車の最高出力が15ps向上しました。