トヨタのアッパーミドルセダン「マークX」は、初代モデルが2004年に「マークⅡ」の後継車種としてデビューし、2009年10月に実施されたフルモデルチェンジにより2代目となりました。先代から基本コンセプトを踏襲しつつ、乗り心地や操縦安定性、居住性などを改善し、総合的な完成度を向上させた正常進化型モデルとなっています。
スタイリングは、基本的なプロポーションを先代から受け継ぎながら、吊り上がった3眼式ヘッドランプや張りのあるボディラインなどにより、アグレッシブなイメージを強めたものとなっています。ボディサイズは全長4,730~4,810mm×全幅1,795mm×全高1,420~1,445mmで、全高を除き先代から若干拡大されています。ホイールベースは、プラットフォームを踏襲する為同一の2,850mmとなっています。
エンジンは3L V6に代り3.5L V6を設定
車両重量は1,510~1,560kgで、先代とほぼ同等に抑えられています。駆動方式は先代同様FRとフルタイム4WDが設定され、サスペンション形式も前:ダブルウィッシュボーン式/後:マルチリンク式を踏襲します。搭載されるエンジンは、先代から受け継いだ2.5L V6の4GR-FSE型の他、先代の3L V6の3GR-FSE型に代り3.5L V6の4GR-FSE型が用意されます。
スペックは前者が最高出力203ps/最大トルク24.8kgm、後者が最高出力313ps/最大トルク38.7kgmで、トランスミッションは全車6速トルコン式ATに統一されました。インテリア面では、インパネのデザインが一新された他、居住空間やトランクスペースの拡大が図られました。グレード体系は、大別して「スタンダード」「スポーツ」「プレミアム」の3系統が設定されます。
スポーツコンバージョンモデルを追加
そして2012年8月にマイナーチェンジを実施し、フロントグリルやリアコンビネーションランプのデザインや内装の一部が変更されると共に、ボディ剛性の強化や静粛性の向上が図られました。又、3.5L車のみの設定だったプレミアム系グレードが2.5L車にも設定されました。それと同時に、2.5L車・3.5L車共にスポーツコンバージョンモデル「G’s」が追加設定されました。
専用フロントグリルや前後バンパー、4本出しマフラーなどにより外観上の差別化が図られる他、専用サスペンションや19インチ鋳造アルミホイールの採用により足回りを強化、更にボディ剛性の強化も図られるなど、レーシーな雰囲気と走行性能を追求したモデルとなっています。更に2014年12月に、GAZOO Racingの手によるスポーツコンバージョンモデル「GRMN」が100台限定で発売されました。
エンジンは4GR-FSE型にチューニングを施し最高出力を321psにアップさせたものを搭載し、トランスミッションは6速MTが組み合わせられます。又、サスペンションやブレーキ、ボディにも強化の手が加えられるほか、専用バンパーやエアロパーツ、スポーツシートや小径ステアリングホイールなどの採用により、内外装の差別化が図られています。