プジョーの2ドアスポーツクーペ「RCZ」は、2009年9月に開催されたフランクフルトモーターショーでデビューし、日本では2010年6月に販売が開始されました。Cセグメントコンパクトカー「308」のプラットフォームやメカニズムをベースとしながらも、クーペカブリオレの「308CC」などよりも遥かに本格指向のスポーツモデルに仕上げられています。
流麗かつ個性的なスタイリング
スタイリングは、単に流麗なプロポーションを持つだけでなく、ルーフとリアウィンドウに二つの膨らみを持つ「ダブルバブルルーフ」や、弧を描くようなラインが特徴のアルミ製ルーフ「アルミナムアーチ」など、他のモデルにはない強い個性が備わります。又、車速に応じ自動的にせり出し、更に角度が2段階に変化するアクティブリアスポイラーの装備も特徴となります。
ボディサイズは全長4,290mm×全幅1,845mm×全高1,350~1,360mmで、ホイールベースは2,610mm、車両重量は1,350~1,360kgとなります。サスペンション形式は、308と同様の前:マクファーソンストラット式/後:トーションビーム式で、駆動方式も同様にFFを採用します。フロントに搭載されるエンジンは、日本仕様には1.6L直4ガソリンターボのみが設定されます。
右ハンドル車と左ハンドル車を設定
カタログモデルには、最高出力156ps/最大トルク24.5kgmのノーマルチューン仕様と最高出力200ps/最大トルク28.1kgmのハイチューン仕様の2種類が用意され、トランスミッションは前者に6速トルコン式ATが、後者に6速MTが組み合わせられます。又、両者はステアリングホイールの位置も異なり、前者が右ハンドルで後者が左ハンドルとなります。
装備面では、両モデルにナッパレザー製のバケットシートが採用される他、左ハンドル仕様には大型マルチファンクションディスプレイやスポーティーな排気音を演出するサウンドシステムなどが装備されました。そして2013年5月にマイナーチェンジを実施し、フェイスリフトによりフロント廻りのイメージが一新されると共に、バイキセノンヘッドランプやLEDポジションランプが採用されました。
更に高性能な限定車を発売
同時に、左ハンドル車のアロイホイールのデザインが刷新された他、右ハンドル車にもマルチファンクションディスプレイやサウンドシステムなどが装備されました。次いで2014年4月に、1.6Lターボユニットを最高出力270ps/最大トルク33.7kgmまでチューニングすると共に、専用の足回りやトルセンLSD、専用の内外装を備える左ハンドル6速MTの限定車「R」が発売されました。
続いて2015年7月に、専用のフロントグリルやアロイホイール、インテリアなどを備える新グレード「GTライン」が左/右ハンドル車に設定されました。更に9月には、「R」が生産終了となる事を受け、カーボンルーフを追加装備する限定車「Rファイナルバージョン」が発売されました。