1964年にデビューしたポルシェの主力スポーツカー「911」は2011年に991型となり、更に2015年9月のフランクフルト・ショーでマイナーチェンジを受けた最新型が発表されました(日本では2016年2月に発表)。フラット6エンジンが従来のNAからダウンサイジングターボに変更され、アウトプット向上による性能アップと共に燃費の改善が図られました。
スタイリングをリフレッシュ
日本市場には、まず「911カレラ」「911カレラS」「911カレラカブリオレ」「911カレラSカブリオレ」の4タイプのリリースが開始されました。スタイリングは従来のイメージを受け継ぎながら、4灯式ウェルカムホームライトを備えるヘッドランプや4灯式ブレーキランプ採用のリアコンビネーションランプ、縦にスリットが入るエンジンフードの採用などによりリフレッシュが図られました。
ボディサイズは全長4,499mm×全幅1,810mm×全高1,289~1,294mmで、従来と大差ないものの僅かに長く広く低いディメンションに変化しました。ホイールベースは従来同様の2,450mmで、サスペンションはフロント:マクファーソンストラット式/リア:LSAマルチリンク式の形式を踏襲しつつ、全車に電子制御可変減衰ダンパー「PCM」が標準装備されるなど進化を果たしました。
最高速度・加速性能が向上
駆動方式は勿論RRで、エンジンは従来型がカレラに3.4L NAが、カレラSに3.8L NAが搭載されたのに対し、新型ではカレラ/カレラS共に3Lツインターボが搭載されました。スペックはカレラが最高出力370ps/最大トルク45.9kgmで、カレラSは専用コンプレッサーやエグゾーストシステムの採用などによりそれを上回る最高出力420ps/最大トルク51kgmとなっています。
従来型に対しては、共に20ps/6.1kgmの向上を果たしました。トランスミッションは全車に7速PDK(DCT)が設定される他、カブリオレ2タイプを除き7速MTも用意されました。動力性能は、カレラPDK仕様スポーツクロノスパッケージ装着車が最高速度295km/h・0-100km/h加速4.2s、カレラSの同仕様が最高速度306km/h・0-100km/h加速3.9sで、従来からそれぞれ+8km/h・-0.4s、+4km/h・-0.4sとなっています。
同時に、燃費が最大で約12%改善されました。装備面では、オプションで用意されるスポーツクロノスパッケージに新しいモード切替スイッチが採用された他、カレラSに後輪操舵システムの「アクティブリアアクスルステア」が設定された事がトピックとなっています。又、インテリア面では、最新の「マルチタッチディスプレイ付きポルシェ・コミュニケーション・マネージメントシステム」の採用により操作性が改善されました。