1952年に設立されたロータスエンジニアリングは、1953年に発売したキットカー「マーク6」の後継車種として、1957年のロンドンショーでニューモデル「セブン」を発表しました。マーク6同様プリミティブな構成を持つオープン2シーターモデルで、キットカーの他に完成車もリリースされ同社初の量販モデルとなりました。スポーツカーとしては安価であった為、販売面で成功を収めました。
まずシリーズ1が登場
車体の成り立ちは、鋼管スペースフレーム構造のシャシーに、マーク6の流れを汲む独立した前後フェンダーを備えるボディが架装されました。サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン式、リアがリジッドアクスル式で、駆動方式はマーク6同様FRでした。初期型は「シリーズ1」と呼ばれ、ボディサイズはマーク6より若干大きい全長3,124mm×全幅1,346mm×全高1,118mmでした。
ホイールベースは僅かに長い2,235mmで、車両重量はマーク6よりも軽量化され329~407kgに抑えられていました。パワートレインは、発売当初1.2L直4SVのフォード製100E型エンジン(最高出力40hp)+3速MTと、1.1L直4SOHCのコベントリー・クライマックス製FWA型エンジン(最高出力75hp)+4速MTの2種類が設定され、前者が「セブンF」、後者が「セブンC」と呼ばれました。
シリーズ2でボディ形状を変更
そして1959年、1L直4OHVのBMC製Aタイプエンジン(最高出力37hp)+4速MTを搭載する「セブンA」が追加されました。次いで1960年に、ノーズコーン及びフェンダーの形状と、リアアクスルの構造を変更した「シリーズ2」に移行しました。ボディサイズは全長3,658mm×全幅1,422mm×全高1,092mmと全長が大幅に延長され、車両重量は432kgに増加しました。
エンジンはフォード100E型とBMC Aタイプがそのまま受け継がれ、コベントリー・クライマックスFWAユニットは廃止されました。しかし翌1961年に、新たなバージョンとして1L直4OHVのフォード105E型エンジン(最高出力39hp)を搭載する「セブンS2ベーシック」と、1.3L直4OHVのフォード109E型コスワースエンジン(最高出力85hp)を搭載する「スーパーセブンS2」が追加されました。
シリーズ3でツインカム版を追加
更に1962年には、1.5L直4OHVのフォード116E型エンジン(最高出力68hp)を搭載する「スーパーセブンS2 1500」と、同コスワースエンジン(最高出力95hp)を搭載し前輪にディスクブレーキを採用した「スーパーセブンS2 1500コスワース」が追加になりました。次いで1968年に「シリーズ3」に移行し、リアアクスルの変更と共にボディのディメンションも変わり、全長3,378mm×全幅1,549mm×全高940mmとなりました。
ホイールベースは僅かに長い2,260mmとなり、車両重量は546kgまで増加しました。当初用意されたモデルは、直4OHVのフォード225E型エンジン1.3L版(最高出力68hp)を搭載する「セブンS3エコノミー」と、同1.6L版(最高出力84hp)を搭載する「セブンS3スタンダード」の2種類でした。そして翌1969年に、1.6L直4OHVのフォード225E型ホルベイエンジン(最高出力120hp)を搭載する「セブンS3 S」が追加されました。
シリーズ4でボディ形状とフレーム構造を変更
同時に、同社初のツインカムユニットとなる1.6L直4DOHCのロータスツインカムエンジン(最高出力105hp)、及びそのホルベイチューン版(最高出力125ps)を搭載する「セブンS3ツインカムSS」がラインナップされました。次いで1970年に、ラダーフレーム構造を採用すると共にリアサスペンションを変更し、バギー風のボディを架装した「シリーズ4」に移行しました。
ボディのスペックは、全長3,716mm×全幅1,537m×全高1,118mm、ホイールベース2,286mm、車両重量544kgとなりました。グレード体系は、フォード225E型1.3Lエンジン搭載の「セブンS4 1300」、同1.6Lエンジン搭載の「セブンS4 1600」、ロータスツインカムエンジン搭載の「セブンS4ツインカム」、同ホルベイチューン版搭載の「セブンS4ツインカムホルベイ」の4種類が設定されました。
そして1973年、製造販売権を代理店であったケーターハム社に移譲し、本家のロータス・セブンは生産終了となりました。その後、南アフリカ製の「バーキン・セブン」やフランス製の「シュペール・マルタン」、オランダ製の「ドンカーブート・スーパーエイト」、英国製の「ウエストフィールド・セイ」など、各国で様々なレプリカモデルが製造販売されました。