三菱自動車工業は1996年8月、4ドアセダン「ギャラン」を通算8代目モデルにフルモデルチェンジすると同時に、その5ドアステーションワゴン版となる「レグナム」を発売しました。「プレステージスポーツワゴン」をコンセプトに走行性能の高さが追求され、ギャラン同様最高出力280psを発生する4WDターボ車も設定されました。
4種類のエンジンでスタート
スタイリングはギャランの延長線上にあり、同様にフロントコーナーを切り落とした「ダイヤモンドノーズカット」が採用されました。ボディサイズは全長4,670~4,710mm×全幅1,740mm×全高1,450~1,450mmでギャランより全長と全高が若干大きく、ホイールベースは同一の2,635mm、車両重量は大人一人分程重い1,310~1,570kgとなっていました。
サスペンション形式はギャラン同様の4輪マルチリンク式で、駆動方式も同様にFFとフルタイム4WDが設定されました。エンジンは1.8L直4DOHC GDI仕様の4G93型と2L V6SOHCの6A12型、そして2.5L V6SOHC NA及び同DOHCターボの2種類の6A13型が用意され、4G93型と6A13型ターボの2種類のみでスタートしたギャランよりも多彩なラインナップとなっていました。
トランスミッションは4G93型/6A12型/6A13型NAエンジン車に5速MTと4速トルコン式ATが、6A13型ターボエンジン車に5速MTと5速トルコン式ATが設定されました。エンジンの最高出力/最大トルクは4G93型が150ps/18.2kgm、6A12型が140ps/18.5kgm、6A13型NA車が175ps/23.5kgm、同ターボMT車が280ps/37kgm、同AT車が260ps/35kgmでした。
当初のグレード体系は、下から1.8Lの「ST」、2L の「20ST」、2.5L NAの「25ST」「25ST-R」2.5Lターボの「VR-4」「VR-4タイプS」がラインナップされました。安全装備はギャラン同様、全車にABSやSRSデュアルエアバッグシステムが採用された他、VR-4タイプSにはトラクションコントロールが標準装備されました。
そして1997年1月に、FF車のみの設定だったSTにフルタイム4WD車が追加されました。次いで同年9月の一部改良で4G93型エンジンに実用域での性能改善が施されると共に、同エンジンを搭載する上級グレード「STツーリング」が追加されました。同時に、カーナビゲーションシステムやインフォテインメントシステム「MMCS」の機能向上が図られました。
三菱 レグナムのCM
M/Cでエンジン・ラインナップを変更
追って同年11月に、4G93型エンジン搭載車に新グレード「ヴィエント-S」「ヴィエント-R」が追加されました。次いで1998年8月のマイナーチェンジでフロント廻りとリア廻りのデザインが変更されると共に、VR-4タイプSがワイドフェンダー&ワイドタイヤ仕様となり全幅が20mm拡大されました。
同時に、2.4L直4DOHC GDI仕様の4G64型エンジン(最高出力165ps/最大トルク23.5kgm)と、低排出ガス化を図った4G93型エンジン(最高出力135ps/最大トルク18kgm)がラインナップに加わりました。一方で、6A12型及び6A13型NAエンジンがカタログ落ちした他、VR-4系の5速MT車が廃止されました。
又、グレード体系も見直され、1.8Lの「ST」「ヴィエント」、1.8L低排出ガス仕様の「ST低排出ガス仕様」、2.4Lの「24ST」「24ヴィエント」「24ヴィエントタイプX」、2.5Lターボの「VR-4タイプV」「VR-4タイプS」のラインナップとなりました。続いて1999年5月に、2.4L車に新グレード「24カスタム」「24ST-L」が追加されました。
次いで2000年5月の一部改良でボディの衝突安全性能向上が図られると共に、4G93型エンジンが2L直4DOHC GDI仕様の4G94型エンジン(最高出力145ps/最大トルク19.5kgm)に置換されました。そして2002年8月に、「ランサーセディアワゴン」に統合される形で生産終了となり、一代限りで三菱自動車のラインナップから姿を消しました。