アルファロメオは1992年に、「75」の後継モデルとなる小型4ドアセダン「155」を発売しました。「アルフェッタ」以来のFR方式+トランスアクスルレイアウトを採用した75から一転し、「フィアット・テムプラ」や「ランチア・デドラ」とプラットフォームを共有するFF/4WD方式となりました。本国での販売は振るわなかったものの、日本では人気を博しました。
サスペンション型式を一新
イタリアのデザイン会社「IDEA」により手掛けられたスタイリングは、スラントした低いノーズとハイデッキのプロポーションを備えながらも、奇をてらわず手堅く纏められていました。ボディサイズは全長4,445mm×全幅1,695~1,730mm×全高1,425~1,440mmで、75よりも一回り大きく、ホイールベースは30mm長い2,540mmでした。車両重量は100kg以上増加し、1,204~1,370kgとなりました。
サスペンション型式は75から全面的に変更され、フロント:ストラット式/リア:トレーリングアーム式が採用されました。本国仕様の発売当初の搭載エンジン及びグレードは、1.8L直4の「1.8ツインスパーク」、2L直4DOHC8バルブの「2.0ツインスパーク」、2.5L V6の「2.5V6」の3タイプのFFグレードと、フィアット・ランチア製2L直4DOHC16バルブターボ搭載のフルタイム4WDグレード「Q4」が設定されました。日本には、1992年9月から「2.0ツインスパーク」と「Q4」の2タイプの輸入が開始されました。
M/Cで直4NAエンジンを16バルブ化
最高出力/最大トルクは、それぞれ127ps/16.8kgm、145ps/19.1kgm、167ps/22kgm、190ps/30.3kgmでした。トランスミッションは全車5速MTとの組み合わせで、ATは最後まで用意されませんでした。そして1995年のマイナーチェンジで、全車が全幅1,730mmのワイドボディに統一されると共に、「2.0ツインスパーク」のエンジンが16バルブ化され、スペックが最高出力152ps/最大トルク19kgmとなりました。
次いで翌1996年には、「1.8ツインスパーク」のエンジンが1.7L DOHC16バルブ(最高出力140ps/最大トルク16.8kgm)に置換されると共に、1.6L DOHC16バルブエンジン(最高出力122ps/最大トルク15.5kgm)を搭載する「1.6 16v TS」が追加されました。更に、自社製1.9L(最高出力90ps/最大トルク19kgm)及びVM製2.4L(最高出力136ps/最大トルク31kgm)の2種類のディーゼル・ターボ車もラインナップに加わりました。
日本の輸入モデルは1995年5月及び6月に、マイナーチェンジ版の「2.0ツインスパーク16V」及び「2.5 V6」に切り替えられました。次いで翌1996年1月には、一旦ラインナップから落とされた「Q4」がマイナーチェンジ版となり復活しました。同時に、2L FF車のグレード名が「スーパーT.スパーク16V」に変更されました。追って同年9月に、250台限定車の「V6 リミテッドバージョン」が設定されました。
そして1997年に、後継モデルの「156」にバトンタッチして生産終了となりました。