初めての就職時、通勤の為に「何か車買ったら?」と親に提案されました。父親と同じ会社へ通勤していたため、父のジムニー サマーウインドーに同乗していました。正直、ジムニーが好きだったので、自分の車として何を選んだらよいかなど皆目見当もつきません。
女性向けのデザインはイヤ!
ただ漠然と、「私は背が小さいから乗るなら軽だろうな」とは思いました。軽ならスズキ?しかし…。そんなある日、母がテレビのCMを見て「ラパンにしたら?」と。平成15年登場のアルト ラパンのCMは20~30代の女性向けに作ってある事は明確でした。ジムニーや兄のアルトワークスに乗り慣れた私には抵抗が…。
それでも母の言葉がなんとなく気になっていた私は1週間もしないうち父を伴いディーラーへ。パンフレットを開くなり、目に飛び込んできたのはブライトレッド2というボディーカラーでした。なんて男前な赤。パンフレットの色が実物と違っていて、小豆色に近い発色だったり、ピンクがかってたらと一瞬思いましたが、他の色なんてもう目に入りません。
当時、アルトワークスはもう生産中止。ならば、きっとラパンのターボが後継車だ、と勝手に思い込み(実際はケイワークスが後継車)ターボ車で4WD型式TA-HE21Sを選びました。価格は1,554,200円。フッ素加工もしてもらい、付属品込みの値段です。
何分も飽きずに車を眺め
そして待望の納車。男前であり、艶っぽい赤のラパンが私の元へ。リアハッチのサイドのRのかかった所が何とも色っぽいのです。フォグランプの付いた顔付きも独特。車を走らせた後に降りると必ず、何分も飽きずに車を眺めてしまいました。
そんなにしているのに、新米ドライバーでまだ運転の下手くそだった私は、あろうことか、納車の次の次の日に狭いT時路を右折するときに、電柱に…??ドライバー席のドアに縦長の凹みが出来てしまいました。頭が真っ白になった私は先進も後退も出来す、ナビ席の父が慌ててハンドルを握りました。通勤時、抜け道として使われていた道。前後に他の車両がいて恥ずかしいやら、申し訳無いやら…。
こんなに惚れた車なのに大切に乗ってやれないなんて…。泣きました、車の為に。初めての保険を使い彼女は無事に直ってきました。それからは生垣の小枝がこすったりする程度で、重症は負わせてません。
今では男らしさはなく
フルモデルチェンジをしてしまい、今では男らしさはありません。「遊べる軽」という車も、とても売れていると聞きます。ディーラーへ行くと「ラパンの車高が高くなった感覚ですよどうですか」と言われます。
いいえ。私は今の自分の車がいいんです。彼女がいいんです。可愛らしさと車らしさを絶妙なバランスで持ち合わせるボディ。彼女のシートが汚れないように下手くそながらカバーを縫ったり。小動物のようにこまこまと走り、私のハンドルさばきに答えてくれる。おっとこ前の赤い彼女が…。あ、私も女ですけどね。