1976年、アウディNSUアウトウニオンAGは同社のフラッグシップモデル「アウディ・100」に8年ぶりにして初のフルモデルチェンジを実施し、2代目C2系に移行させました。最大のトピックは世界初の5気筒エンジンが設定された事で、6気筒エンジン並みの静粛性・スムーズさと4気筒エンジン並みの経済性の両立が謳われました。
クーペに代わりハッチバックを設定
ボディタイプは2ドアクーペが廃止され、従来同様の2ドア/4ドアセダンに、「アヴァント」と呼ばれる5ドアハッチバックを加えた3タイプのラインナップとなりました。スタイリングは、先代の4ライトウィンドウから6ライトウィンドウに変更されると共にモダンなフォルムに変貌しました。又、アヴァントはファストバックのスタイリッシュなフォルムが採用されました。
ボディサイズは全長4,680mm×全幅1,768mm×全高1,377mmで、初代セダンから全長・全幅が拡大された一方、全高は低く設定されました。ホイールベースは2,677mmで、初代セダンと実質的に同等でした。サスペンション形式は、フロントがダブルウィッシュボーン式からマクファーソンストラット式に、リアがトーション・クランク・アクスル式からトレーリングアーム式に変更されました。
駆動方式は縦置きFF方式が踏襲され、エンジンは当初、1.6L直4SOHCキャブレター仕様(最高出力85ps)、2L直4SOHCキャブレター仕様(最高出力115ps)、2.1L直5SOHC電子燃料噴射仕様(最高出力100ps)のガソリンNA3種類が用意されました。これらの内、2.1L直5ユニットは程なくして改良が加えられ最高出力が136psにアップしました。
ターボ車やディーゼル車を追加
トランスミッションは先代同様、4速MTと3速トルコン式ATが設定されました。又、ブレーキ型式はフロント:ディスク式/リア:ドラム式を踏襲し、ステアリング型式はラック&ピニオン式を踏襲しつつ、新たにパワーアシストが備わりました。その後、エンジン・ラインナップの拡充が図られ、まず1978年に2.1L直5キャブレターNA仕様(最高出力115ps)が追加されました。
又、同年に2L直5ディーゼルNA(最高出力70ps)もラインナップに加わりました。更にガソリンエンジンのラインナップ拡充が続き、1979年に2.1L直5電子燃料噴射ターボ仕様(最高出力170ps)が、1980年に1.9L直5キャブレターNA仕様(最高出力100ps)が追加されました。そして1982年にフルモデルチェンジが実施され、3代目C3系に移行しました。
日本市場における2代目アウディ・100は、ヤナセの手によりまず2.1L NAエンジン+3速AT搭載の4ドア車「L5E」「GL5E」が導入され、後にターボエンジン+3速AT搭載の4ドア車「200T」や、ディーゼルエンジン+4速MT搭載の4ドア車「L5D」などが輸入されました。