BMWの主幹モデルであるDセグメント車「3シリーズセダン」は、2011年に6代目となる現行型にフルモデルチェンジし、日本には2012年1月にまずガソリンエンジン搭載グレードが導入され、次いで同年7月にBMWとして第3弾、3シリーズとしては初となるハイブリッドモデル「アクティブハイブリッド3」が追加されました。同社の他のハイブリッドモデル同様、低燃費と高性能を両立させた事が特徴でした。
セダンのみが用意されるボディのスタイリングは他の3シリーズセダンと共通で、「スポーツ」「ラグジュアリー」「モダン」の3種類のデザインラインと、専用のエアロパーツやアルミホイールなどを装備する「Mスポーツ」が設定される点も同一でした。全長4,625mm×全幅1,800mm×全高1,440mmのボディサイズや2,810mmのホイールベースも共通となる一方、車両重量は大幅に増加した1,740kgでした。
ハイスペックなハイブリッドユニット
サスペンションは他の3シリーズ同様の前:ダブルジョイント・ストラット式/後:5リンク式で、駆動方式はBMWのスタンダードであるFRが採用されました。ハイブリッドユニットは、3L直6ガソリンターボエンジン(最高出力306ps/最大トルク40.8kgm)とモーター(最高出力54ps/最大トルク21.4kgm)、そして8速トルコン式ATから構成され、システムとして最高出力340ps/最大トルク45.9kgmを発生するものでした。
バッテリーはリチウムイオン式で、モーター単独走行の場合は最高速度75km/h、航続距離4kmのスペックでした。又、他の3シリーズ同様、アイドリングストップ機構や減速エネルギー回生システム、電動パワーステアリング、そして「ドライビング・パフォーマンス・コントロール」にガソリン消費量を低減する「ECO PROモード」の設定など、各種の省エネ技術も踏襲されました。
動力性能・燃費性能とも良好
このパワートレインにより、3L直6ガソリンターボエンジン搭載の「335iセダン」(日本未導入)を凌ぐ0-100km/h加速5.3sの動力性能と、2L直4ガソリンターボエンジン搭載の「320iセダン」並みの16.5km/Lの燃費を両立させました。インテリアは基本的に他の3シリーズと同一となるものの、アクティブハイブリッド3独自の機能として4:2:4の分割可倒式リアシートが採用されました。
そして2013年8月に一部改良を実施し、タッチパッド採用の「iDriveドライブコントローラー」や、事故発生時に通信機能を使ってサポートする「BMW SOSコール」と「BMWテレサービス」、そして「前車接近警告機能」「衝突回避・被害軽減ブレーキ」「レーンディパーチャー・ウォーニング」から構成される「ドライビングアシスト」が全グレードに標準装備されました。
続いて2014年8月の一部改良で、全グレードに「アクティブ・クルーズコントロール」が標準装備されました。そして2015年8月のマイナーチェンジにより、新設計の3L直6ガソリンターボエンジンを搭載する新グレード「340i」が設定された事に伴い、アクティブハイブリッド3はカタログ落ちしました。