BMWは2000年、1998年に発売した4代目「3シリーズ」をベースとしたハイパフォーマンスモデル、E46型「M3」を発表しました。先代E36型M3が生産終了となって以来2年ぶりの復活となったこの新型は、ボディサイズが拡大されたほかパワートレインも刷新されました。
まずはクーペから
ボディタイプは、3シリーズに用意された各ボディの中からまず2ドアクーペが用意されました。スタイリングは、先代よりも曲線的なフォルムに変貌したほか、3シリーズに対しては専用エアダム・バンパーやアルミ製パワードーム付きエンジンフード、ワイドフェンダーの採用などにより差別化が図られていました。
ボディサイズは全長4,492mm×全幅1,780mm×全高1,372mmで、先代から一回り拡大されたほか、3シリーズに対しては全幅がワイド化されていました。ホイールベースは2,731mmで、先代から30mmほど延長されました。また、車両重量も100kgほど増加し1,570kgとなりました。サスペンション形式は、フロント:ストラット式/リア:セントラルアーム式が踏襲されました。
駆動方式はFRを踏襲し、エンジンは新開発の3.2L直6DOHC NAが搭載されました。スペックは最高出力343ps/7,900rpm・最大トルク37.2kgm/4,900rpmで、同じ排気量だった先代から21ps/1.5kgmの向上を果たすとともに、より高回転型の性格に変貌しました。トランスミッションは6速MTが標準で、オプションでパドルスイッチ付き6速AMTの「SMG-Ⅱ」が用意されました。
パフォーマンスは最高速度250km/h(リミッター作動)・0-100km/h加速5.2sで、先代と同一の数値でした。また、機構面では専用チューニングが施された車両安定化制御装置「DSCⅢ」や、可変Mディファレンシャルロックなどが採用されました。タイヤはフロントに225/45R18、リアに255/40R18が装着されました。
カブリオレと高性能版を追加
一方インテリア面では、専用スポーツシートや専用ステアリングホイールの採用などにより3シリーズとの差別化が図られていました。その後2001年に2ドア・4シーター仕様のオープンモデル「カブリオレ」が追加され、さらに2003年にはカーボンファイバー製の2ドアクーペボディに3.2Lエンジンのアウトプットを最高出力360ps/最大トルク37.7kgmまで高めて搭載する「CSL」が追加されました。
そして2006年、3シリーズクーペのフルモデルチェンジにともない生産を終了、翌2007年に新型3シリーズクーペをベースとしたE92型M3クーペがリリースされました。
日本市場においては、2001年1月にクーペ・MT仕様の導入が開始されました。左ハンドル仕様に加え、日本向けM3初の右ハンドル仕様も設定されました。その後2003年4月にSMG-Ⅱ仕様が、翌5月にはCSL(左ハンドル・SMG-Ⅱ仕様のみ)が追加されました。