BMWのミディアムクラス・クロスオーバーSUV「X3」は、初代モデルが「X5」の弟分として2003年にデビュー、2010年7月のフルモデルチェンジにより2代目となった現行型が2011年3月から日本で販売開始されました。先代からボディを拡大し居住性が向上した他、パワートレインの刷新により動力性能や燃費性能が向上するなど、総合的なパフォーマンスアップを実現しました。
先代より立体的なスタイリングに
スタイリングは先代のイメージを受け継ぎながらも、ボンネットやボディ側面のキャラクターラインにより立体感あるデザインに変貌しました。ボディサイズは全長4,650mm×全幅1,880mm×全高1,675mmで、先代から全長が85mm、全幅が25mm拡大され、ホイールベースも15mm延長され2,810mmとなりました。このディメンション変更に伴い、後席スペースやカーゴスペースが拡大されました。
車両重量は先代よりやや重い1,830~1,900kgで、サスペンション形式は前:ダブルジョイント・ストラット式/後:5リンク式が採用されました。発売当初日本に導入されたエンジン及びグレードは、3L直6NA(最高出力258ps/最大トルク31.6kgm)を搭載する「xDrive 28i」と、3L直6ターボ(最高出力306ps/最大トルク40.8kgm)を搭載する「xDrive 35i」の2種類がラインナップされました。
トランスミッションは、共に6速だった先代から多段化され8速トルコン式ATとなった他、両グレードに減速エネルギー回生システムが、更に「xDrive 35i」にはアイドリングストップ機構が搭載され、燃費が先代から大幅に向上しました。駆動方式は両グレード共フルタイム4WD方式「xDrive」を踏襲し、「バリアブル・スポーツ・ステアリング」や「パフォーマンス・コントロール」も装備されました。
前者は速度に応じてステアリング操作に対するタイヤ角度を可変させるシステム、後者はコーナーリング時に内側後輪にブレーキを掛けアンダーステアを軽減するシステムとなります。その他の装備としては、8.8インチワイドディスプレイ採用のHDDナビゲーションシステム、トップビュー機能付リアビューカメラ、パークディスタンスコントロールなどが標準装備されました。
燃費の優れた新エンジン搭載グレードを追加
そして2012年3月に、2L直4ターボエンジン(最高出力184ps/最大トルク27.5kgm)を搭載する新グレード「xDrive 20i」が追加され、更に同年5月には「xDrive 28i」のエンジンが「xDrive 20i」用のハイパフォーマンス版(最高出力245ps/最大トルク35.7kgm)に置換されました。燃費は前者がX3シリーズ最高となる14km/L、後者がエンジン置換前から約35%向上した13.6km/Lとなりました。
次いで同年9月に、2L直4ディーゼルターボエンジン(最高出力184ps/最大トルク38.7kgm)を搭載し、18.6km/Lの燃費を実現した「xDrive 20dブルーパフォーマス」が追加されました。