BMW
BMWの主幹モデルの一つであるEセグメント車「5シリーズ」は、初代モデルが1972年にデビュー、6代目となる現行型は2010年に欧州でまずグランツーリスモが発表されました。セダン/ツーリング(ワゴン)の発表は翌2011年で、日本にはセダンが3月に、次いでツーリングが9月に導入されました。先代から動力性能や燃費・環境性能、装備など全方位的に改善されたモデルとなっています。
先代からボディを一回り拡大
スタイリングは先代からのキープコンセプトながら、キドニーグリルの大型化やテールランプのデザイン変更などによりリフレッシュが図られました。ボディサイズは、セダンが全長4,910~4,920mm×全幅1,860mm×全高1,470~1,475mm、ツーリングが全長4,915~4,920mm×全幅1,860mm×全高1,490mmで、全高を除き先代から一回り大きくなり、ツーリングはラゲッジスペースが拡大されました。
又、ホイールベースも80mm延長され2,970mmになった他、車両重量も増加し1,770~2,000kgとなりました。サスペンションは、フロントが先代のストラット式からダブルウィッシュボーン式に変更され、リアはインテグラルアーム式が踏襲されました。駆動方式はBMW伝統のFRが基本となるものの、先代同様ツーリングには一部グレードにフルタイム4WDが設定されました。
初期における日本仕様のエンジンは全車ガソリンで、グレードは2.5L直6NA(最高出力204ps/最大トルク25.5kgm)の「523i」、3L直6NA(最高出力258ps/最大トルク31.6kgm)の「528i」、3L直6ターボ(最高出力306ps/最大トルク40.8kgm)の「535i」、4.4L V8ツインターボ(最高出力407ps/最大トルク61.2kgm)の「550i」の4種類で、トランスミッションは全車8速トルコン式ATが採用されました。
燃費や走行性能を向上させる装備を搭載
又、全車にブレーキエネルギー回生システム「マイクロハイブリッド」を搭載し、先代から20~30%程度の燃費改善を実現しました。走行性能向上に係る装備としては、後輪操舵システムを採用した「インテグレイテッド・アクティブ・ステアリング」や、走行モード切替システム「ダイミック・ドライビング・コントロール」が備わり、先代以上の走行性能を実現しました。
そして2011年10月~11月の一部改良で、セダン/ツーリング共に「523i」及び「528i」のエンジンを2L直4ターボ(523iが最高出力184ps/最大トルク27.5kgm、528iが最高出力245ps/最大トルク35.6kgm)に置換すると共に、アイドリングストップ機構やエコ運転に貢献する「ECO PROモード」を採用、同時に「535i」にも同機能を採用し、燃費が約20~30%改善されました。
次いで2012年8月に、セダン/ツーリング共に2L直4ディーゼルターボエンジン(最高出力184ps/最大トルク38.7kgm)を搭載し、5シリーズ最良の燃費を実現した「523d」が追加されました。続いて2013年11月に、「前車接近警告機能」「衝突回避・被害軽減ブレーキ」「レーンディパーチャーウォーニング」「アクティブクルーズコントロール」から構成される「ドライビングアシストプラス」が全車に標準装備されました。