1972年に初代モデルがデビューしたBMWのミディアムセダン「5シリーズ」は、2003年に7年ぶり4度目のフルモデルチェンジを実施し、5代目のE60/61型に移行しました。先代からボディが一回り拡大されると共にアルミ素材が採用され、スタイリングも一新されました。同時に走行性能を向上させる為の新機構が採用された点も特徴でした。
シャープな造形を採用
ボディタイプはまず4ドアセダンが登場し、翌2004年にステーションワゴンの「ツーリング」が追加されました。スタイリングはシャープな造形となり、従来からイメージが大幅に変わりました。ボディサイズは全長4,855mm×全幅1,845mm×全高1,470mm(セダン)/1,490mm(ツーリング)で、全長・全幅・全高ともに先代から拡大され、ホイールベースも60mm延長され2,890mmとなりました。
車両重量は先代よりも増加し、1,560~1,825kgとなりました。駆動方式はFRベースを踏襲しつつ、2005年にフルタイム4WD車が追加されました。サスペンション形式は、フロント:ストラット式/リア:インテグラルアーム(5リンク)式が踏襲されました。又、電子制御ステアリングシステムの「アクティブステアリング」や、コーナーリング時のロールを抑制する「ダイナミックドライブ」が用意されました。
グレードは、2.2L直4(最高出力169ps/最大トルク21.4kgm)の「520i」、2.5L直6(最高出力192ps/最大トルク25kgm)の「525i」、3L直6(最高出力231ps/最大トルク30.6kgm)の「530i」、3.5L直6(最高出力235ps/最大トルク32.6kgm)の「535i」、4.4L V8(最高出力333ps/最大トルク45.9kgm)の「545i」、3L直6ディーゼル(最高出力218ps/最大トルク51kgm)の「530d」の6種類で、トランスミッションは6速MTと6速トルコン式ATが設定されました。
デビュー2年後にエンジンを一新
日本市場には、2003年8月にセダンの「525i」「530i」「545i」が、2004年4月にツーリングの「525i」が導入されました。トランスミッションは全車ATのみの設定でした。そして2005年にエンジンが一新され、直6ユニットはバルブトロニックが搭載されると共に軽量化が図られ、V8ユニットは従来の4.4Lに代わり4Lと4.8Lが設定されました。
グレードとスペックは、「523i」(2.5L直6)が最高出力177ps/最大トルク23.5kgm、「525i」が最高出力218ps/最大トルク25.5kgm、「530i」が最高出力258ps/最大トルク30.6kgm、「540i」(4L V8)が最高出力306ps/最大トルク39,8kgm、「550i」(4.8L V8)が最高出力367ps/最大トルク50kgm、「520d」(2L直4ディーゼル)が最高出力163ps/最大トルク34.7kgm、「530d」(3L直6ディーゼル)が最高出力230ps/最大トルク51kgmでした。
日本には、同年11月からセダンの「525i」「530i」「540i」「550i」と、ツーリングの「525i」「530i」が導入されました。そして2007年6月にマイナーチェンジが行われ、フェイスリフトと同時にATの改良が行われた他、「530i」のエンジンが変更され最高出力が14psアップの272psとなりました。そして2010年にフルモデルチェンジが実施され、6代目の現行型に移行しました。