フェラーリは2008年11月、オープンスポーツカー「F430スパイダー」をベースとした特別仕様車「スクーデリア・スパイダー16M」を発表しました。F1世界選手権のコンストラクターズチャンピオン獲得を記念した499台限定生産モデルで、ベースモデルから性能向上が図られると同時に装備の充実化も図られました。
80kgの軽量化を実現
ソフトトップが備わる2ドアボディのエクステリア・デザインは、基本的にF430スパイダーと共通であったものの、カーボンファイバー製のアウターシェルが備わるロールバーや、リアグリルに設けられた記念プレートなどにより識別が可能でした。また、トリムは「カロッツェリア・スカリエッティ・パーソナライゼーション・プログラム」によりトリコロールカラー仕上げにすることも可能でした。
ボディ・ディメンションは全長4,512mm×全幅1,923mm×全高1,214mm、ホイールベース2,600mmで、車両重量はF430スパイダーよりも80kg軽い1,340kgとなっていました。駆動方式はMRを踏襲し、エンジンはFR430スパイダー譲りの4.3L V8DOHC32バルブ NAにチューンナップを施したものが搭載されました。スペックは、最高出力510ps/8,500rpm・最大トルク47.9kgm/5,250rpmでした。
F430スパイダーの最高出力490ps/8,500rpm・最大トルク47.4kgm/5,250rpmに対しては、20ps/0.5kgmの向上を実現していました。トランスミッションは、F430スパイダーに設定された6速MTとシングルクラッチ式6速セミAT「F1スーパーファーストギアボックス」のうち、後者が組み合わせられました。
フィオラノ・サーキット最速を謳う
パフォーマンスは、F430スパイダーに対し最高速度が5km/hアップの315km/hとなり、0-100km/h加速タイムは0.4s短縮され3.7sとなっていました。また、同社自身によりフィオラノ・サーキットで最速のラップタイムを持つフェラーリ製オープンロードカーであると謳われました。サスペンション形式は、4輪ダブルウィッシュボーン式が踏襲されました。
ブレーキはフロントが6ピストンキャリパー、リアが4ピストンキャリパーの4輪ベンチレーテッド・ディスク式が採用されました。タイヤはフロントが235/35ZR19サイズ、リアが285/35ZR19サイズで、F430からフロントがワイド化されました。機構面では、車両安定化制御システム+トラクションコントロールシステムの「F1トラクションシステム付きCST」が装備されました。
一方インテリアは、インパネ中央上部に「リミテッド・シリーズ」と記されたシルバープレートが貼付されたほか、装備面ではフェラーリ特注iPod Touch 16GBとの接続が可能なオーディオシステムが装備されました。日本市場においては、およそ50台が正規輸入されました。