フェラーリは2003年3月に開催されたジュネーブ・モーターショーにおいて、新型スポーツカー「チャレンジ・ストラダーレ」を発表、同年6月に発売しました。フィクスドヘッドボディのスポーツカー「360モデナ」をベースとしながら、レーシングカー並みのパフォーマンスとドライビングプレジャーが備わるモデルに仕立てられていました。
110kgの軽量化を実現
アルミ・スペースフレームに架装されるボディの素材には、アルミニウムをメインにカーボンファイバーが採用されました。エクステリア・デザインは基本的に360モデナのイメージが踏襲されたものの、大型リアウイングやカーボンミラー、19インチの「チャレンジ・ホイール」などの採用により識別が可能でした。また、空力特性を維持しながらダウンフォースを50%増加したことも特徴でした。
ボディ・ディメンションは全長4,477mm×全幅1,922mm×全高1,199mm、ホイールベース2,600mmで、360モデナから全高が15mmローダウンされていました。また、車両重量はそれよりも110kg軽い1,180kgとなっていました。駆動方式はMRを踏襲し、エンジンは360モデナ譲りの3.6L V8DOHC40バルブ NAにチューンナップを施したものが搭載されました。
パフォーマンスが向上
スペックは最高出力426ps/8,500rpm・最大トルク38kgm/4,750rpmで、360モデナから50psの出力向上を実現していました。トランスミッションは、「360モデナF1」用をベースに変速スピードをアップしたシングルクラッチ式6速セミAT「F1ギアボックス」が組み合わせられました。パフォーマンスは、360モデナに対し最高速度が4km/hアップの300km/hとなり、0-100km/h加速タイムは0.4s短縮され4.1sとなっていました。
サスペンションは4輪ダブルウィッシュボーン式の形式を踏襲しながら、大幅な強化と低重心化が図られました。ブレーキは、CCM(カーボン・コンポジット・マテリアル)製の4輪ベンチレーテッド・ディスク式(フロント:380mm径/リア:350mm径)が装備されました。また、タイヤはフロントが225/35ZR19サイズ、リアが285/35ZR19サイズで、360モデナから大径&ワイド化が図られていました。
ローンチ・コントロールも装備
機構面では、「ASR」と呼ばれるトラクションコントロールシステムが装備されたほか、「スポーツ」と「レース」の2つのモード切り替えが可能でした。さらにレースを選んだ場合、ASRが解除されるローンチ・コントロール機能が備わっていました。一方室内は、カーボン製のインパネやパドルシフトが採用されました。
チャレンジ・ストラダーレは、日本への正規輸入も行われました。価格は、360モデナF1よりも480万円ほど高価な2,130万円でした。