フェラーリは2013年3月のジュネーブ・ショーで、2002年から2004年に掛けて販売された限定モデル「エンツォフェラーリ」の実質的な後継車種となる、プレミアム・スーパースポーツ「ラ・フェラーリ」を発表しました。最大の特徴はパワートレインがハイブリッド化された事で、エンツォフェラーリから更にパフォーマンスが向上すると共に、CO2排出量が約50%削減されました。
「アクティブ・エアロダイナミクス」を初採用
車体はカーボン素材を用いたモノコック構造で、従来のモデルから剛性アップが図られました。ボディタイプはフィクスドヘッドのクーペで、デザインはフェラーリ御用達のピニンファリーナではなく、フラビオ・マンツォーニ率いる社内チームにより手掛けられました。スタイリングはエンツォフェラーリから大きく変貌し、究極のエアロダイナミクスを追求したフォルムが備わっていました。
最大の特徴は、エンツォフェラーリに装備された空力性能改善機構を更に進化させた「アクティブ・エアロダイナミクス」が初めて採用された事にありました。これは、ボディ前後に設けられたディフューザーやアンダーパネル、スポイラーの角度を自動的に可変し、速度に応じた最適な空力特性を実現するシステムとなっています。
ボディサイズは全長4,702mm×全幅1,992mm×全高1,116mmで、エンツォフェラーリとの比較において全長は奇しくも全く同一の数値となった他、全幅は狭く全高はより低くなりました。ホイールベースは同一の2,650mmに設定され、車両重量は100kg以上軽い1,255kgとなりました。又、前後重量配分は41:59となっています。
ラ・フェラーリのオフィシャルビデオ
システム出力950HPのハイブリッドユニットを搭載
ミッドシップマウントされるハイブリッドユニットは、最高出力789HP/9,000rpm・最大トルク71.6kgm/6,750rpmを発生する6.3L V12エンジンと、トータルで161HPを発生する2基のモーターが組み込まれた運動エネルギー回生システム「HY-KERS(ハイ・カーズ)」、そして7速DCTにより構成されるパラレル式で、システム最高出力はエンツォフェラーリを300HP凌ぐ950HPを発生します。
パフォーマンスは、最高速度はエンツォフェラーリと同等の350km/hであるものの、0-100km/h加速は0.65s短縮された3sに向上しました。サスペンション形式はエンツォフェラーリの4輪ダブルウィッシュボーン式から、リアがマルチリンク式に変更されました。又、ブレーキディスク径はエンツォフェラーリが前後とも380mmであったのに対し、フロントが398mmに拡大されました。
そしてタイヤサイズもエンツォフェラーリのフロント:245/35ZR19・リア:345/35ZR19から若干ワイド&扁平化され、それぞれ265/30R19・345/30R20となりました。生産台数は世界限定499台で、価格は日本円でおよそ1億6千万円となっています。