プジョーは2006年1月、1998年にリリースした「206」に代わる新型Bセグメント・コンパクトカー「207」を発表しました。同じPSAグループの「シトロエン・C3」と共通の新世代プラットフォームに、206よりも一回り大きく、かつ対歩行者安全対策が施されたボディが架装されました。
日本では3ナンバー登録に
ボディタイプはまず3ドア/5ドアハッチバックが用意され、スタイリングは206のイメージを受け継ぎながらも、兄貴分にあたる「307」や「407」にも通じる意匠のフロントマスクが与えられました。又、空力特性も追求され、Cd値0.3を実現していました。ボディサイズは全長4,030mm×全幅1,748mm×全高1,472mmで、206から全長が約200mm、全幅が約100mm拡大されました。
全幅は307とほぼ同等で、日本においては3ナンバー登録となりました。ホイールベースは2,540mmで、こちらも207から100mm程延長されました。サスペンション形式は、フロントはマクファーソンストラット式を踏襲する一方、リアはトレーリングアーム/トーションバー式からトーションビーム/コイル式に変更されました。
エンジンは全8種類を用意
駆動方式はFFを踏襲し、エンジンはまず1.4L SOHC8V(最高出力75ps/最大トルク12kgm)、同DOHC16V(最高出力89ps/最大トルク13.6kgm)、1.6L DOHC16V(最高出力108ps/最大トルク15kgm)の直4ガソリンNAと、1.4L SOHC8V(最高出力68ps/最大トルク16.3kgm)及び2種類の1.6L DOHC16V(最高出力89ps/最大トルク21.9kgm・最高出力108ps/最大トルク24.5kgm)の直4ディーゼルターボが用意されました。
トランスミッションは5速MTが標準で、1.4L DOHCエンジン車には5速AMT「2トロニック」も用意されました。ブレーキは、フロントは全車ベンチレーテッド・ディスク式で、リアはグレードによりドラム式又はソリッド・ディスク式が採用されました。一方室内は、206から居住性が大幅に向上した他、ラゲッジスペースも拡大されました。
その後、程なくしてBMWとの共同開発によるバルブトロニック付きガソリン1.6L直4DOHC16Vエンジンが追加されました。NAとターボが用意され、スペックはそれぞれ最高出力120ps/最大トルク16.3kgm、最高出力150ps/最大トルク24.5kgmでした。トランスミッションは5速MTの他、前者は4速トルコン式ATを選択する事も可能でした。
ワゴンとカブリオレを追加
更に翌2007年には、全長を126mm、全高を55mm拡大した5ドアステーションワゴン「SW」と、全高を1,397mmに抑えた2ドア4シーター仕様のクーペカブリオレ「CC」がラインナップに加わりました。又、同じ年に、ガソリン1.6Lターボエンジンに最高出力175psの高出力版が追加されました。次いで2009年にフェイスリフトが実施されると共に、ガソリン1.6Lターボ車に6速MTが搭載されました。
そして2012年、後継モデル「208」の登場に伴い生産終了となりました。日本市場に導入されたモデルは全てガソリン車で、1.4L DOHC及びバルブトロニック付き1.6L DOHC NA搭載の5ドアハッチバック、1.6L DOHCターボ搭載の3ドアハッチバック、バルブトロニック付き1.6L DOHC NA及びターボ搭載のSW、バルブトロニック付き1.6L DOHC NA搭載のCCがラインナップされました。