プジョーは2004年、1995年にリリースした「406」に代わる新型ミディアムモデル「407」を発売しました。406から一新されたプラットフォームに架装されるボディは、それまでよりも一回り拡大されると共に、切れ長のヘッドランプが備わる流麗なフロントマスクやセミファストバックのフォルムなど、斬新なイメージに変貌を遂げました。
フロントサスペンションを変更
ボディタイプは当初、4ドアセダンと5ドアステーションワゴンの「SW」が用意されました。ボディサイズは、セダンが全長4,676mm×全幅1,811mm×全高1,455mm、SWがそれぞれ4,763mm×1,811mm×1,494mmで、全ての項目において406から拡大されました。又、ホイールベースは共に2,725mmで、406からは25mm延長されました。
駆動方式はFFを踏襲し、エンジンはまず1.8L直4(最高出力113hp/最大トルク16.6kgm)、2L直4(最高出力134hp/最大トルク19.4kgm)、2.2L直4(最高出力156hp/最大トルク22.1kgm)、2.9L V6(最高出力211hp/最大トルク29.6kgm)のガソリンDOHC NAと、1.6L直4(最高出力108hp/最大トルク24.5kgm)、2L直4(最高出力134hp/最大トルク32.6kgm)のディーゼルDOHCターボの全6種類が用意されました。
トランスミッションは5速MTの他、直4エンジン車に4速の、V6エンジン車に6速のトルコン式ATが設定されました。サスペンション形式は、フロントはマクファーソンストラット式からダブルウィッシュボーン式に変更され、リアはマルチリンク式が踏襲されました。又、ブレーキは406同様、全車にフロントがベンチレーテッド型の4輪ディスク式が採用されました。
クーペを追加
そして翌2005年、社内デザインによるクーペがラインナップに加わりました。ボディサイズは全長4,815mm×全幅1,868mm×全高1,400mmで、セダン/SWよりも長く広く低いプロポーションが特徴でした。更にこの年、ガソリン各エンジンのアウトプット向上が図られ、1.8Lは最高出力123hp/最大トルク17.4kgm、2Lは最高出力138hp/最大トルク20.4kgm、2.2Lは最高出力161hp/最大トルク22.4kgmとなりました。
次いで2006年には、2.2L直4DOHC(最高出力168hp/最大トルク37.7kgm)、2.7L V6DOHC(最高出力201hp/最大トルク44.9kgm)の2種類のディーゼルターボエンジンが追加されました。続いて2008年にフェイスリフトが実施され、翌2009年には3L V6DOHCディーゼルターボエンジン(最高出力238hp/最大トルク45.9kgm)が追加されました。
そして2011年、407と上級モデル「607」を統合した後継モデル「508」がデビューした事に伴い、生産終了となりました。日本市場に導入された407は全てガソリンエンジン+AT仕様で、まず2005年6月に2.2Lのセダン「ST2.2」「スポーツ2.2」及びワゴン「SW2.2」「SWスポーツ2.2」、3Lのセダン「スポーツ3.0」「エグゼクティブ3.0」及びワゴン「SWスポーツ3.0」「SWエグゼクティブ3.0」が上陸しました。
次いで2006年6月、3Lエンジン搭載の「クーペ407」が追加されました。続いて2007年5月の一部改良でセダン/ワゴンのラインナップが見直され、セダンは「SV2.2」「SV3.0」「エグゼクティブ」、ワゴンは「SW2.2」「SW2.2レザーパッケージ」「SW3.0」のグレード体系となりました。次いで2009年2月にフェイスリフト版に切り替えられると共に、エグゼクティブ/SW2.2レザーパッケージは廃止されました。