プジョーは1995年9月、1987年にリリースした「405」に代わる新型ミディアムモデル「406」を発表しました。プラットフォームは2年前に登場した同じPSAグループの「シトロエン・エグザンティア」と共通で、405からはリアサスペンション形式が変更された他、ガソリンエンジンが全てツインカム化されるなど内容が一新されました。
優れた空力特性を実現
当初4ドアセダンのみが用意されたボディのスタイリングは、流麗なフォルムと吊り目の異形ヘッドランプが備わるなど、405からイメージが一新されました。同時に、Cd値0.3の優れた空力特性を実現した事も特徴でした。ボディサイズは全長4,555mm×全幅1,764mm×全高1,396mmで、405から全長・全幅が拡大され、ホイールベースはそれより30mm程長い2,700mmに設定されました。
駆動方式はFFのみの設定で、エンジンはまず1.6L(最高出力87hp/最大トルク13.3kgm)、1.8L(最高出力110hp/最大トルク15.8kgm)、2L(最高出力130hp/最大トルク18.4kgm)の直4DOHCガソリンNAと、1.9L(最高出力89hp/最大トルク20kgm)、2.1L(最高出力108hp/最大トルク25.5kgm)の直4SOHCディーゼルターボの全5種類が用意されました。
トランスミッションは、5速MTと学習機能付き4速トルコン式ATが設定されました。サスペンション形式は、フロントはマクファーソンストラット式を踏襲する一方、リアはそれまでのレーリングアーム式から同社初のマルチリンク式に変更されました。又、ブレーキは全車にフロントがベンチレーテッド型の4輪ディスク式が採用されました。
ワゴンやクーペ、V6エンジン車などを追加
そして1997年、新たに2L直4DOHCターボ(最高出力145hp/最大トルク24kgm)、2.9L V6DOHC NA(最高出力190hp/最大トルク27.2kgm)の2つのガソリンエンジンが追加されました。又、同じ年にリア・オーバーハングを165mm延長した5ドアステーションワゴン「ブレーク」と、ピニンファリーナのデザインによるクーペがラインナップに加わった事も大きなトピックでした。
次いで1999年、フェイスリフトの実施と共に、ガソリン2Lターボに代わり2.2L直4DOHC NA(最高出力156hp/最大トルク22.1kgm)が、ディーゼル1.9L/2.1Lターボにかわり2種類の2L直4DOHCターボ(最高出力89hp/最大トルク20.9kgm及び最高出力108hp/最大トルク25.5kgm)が設定されました。又、ガソリン1.8L/2L/2.9Lはアウトプットの向上が図られました。
そして2004年、後継モデル「407」にバトンタッチして生産終了となりました。日本市場においては、1996年11月にまず2LガソリンNA+4速AT搭載のセダン「ST」「SV」「SVレザーパッケージ」が導入されました。次いで1997年5月に同じパワートレインを搭載するブレークが加わり、更に同年10月にはセダン/ブレークに3Lエンジン+4速ATを搭載する「V6」が追加されました。
追って1998年1月、3Lエンジン+4速AT搭載のクーペがラインナップに加わりました。次いで同年10月、セダン/ブレーク2L車のグレードが「2.0」となった他、それぞれに2.9Lエンジン搭載の「V6レザーパッケージ」が設定されました。続いて2000年に入ると、3~5月に掛けて各モデルがフェイスリフト版に切り替えられると共に、V6レザーパッケージは廃止されました。
次いで2002年7月、セダンにガソリン2.2Lエンジン+5速MT搭載の「スポーツ」が追加され、翌2003年4月にはセダン/ブレーク2.0に代わり「グリフ」が設定されました。