1989年にミディアムモデル「アコード」とプレミアムモデル「レジェンド」との間を埋めるアッパーミドルモデルとして誕生した本田技研工業の「アコードインスパイア/インスパイア/ビガー」は、1998年10月に2度目のフルモデルチェンジを受け3代目インスパイア及び初代「セイバー」に移行しました。生産拠点が日本国内からアメリカに変更され、日本においては逆輸入車扱いになりました。
ボディタイプを変更しエンジンも一新
ボディタイプはそれまでの4ドアピラードハードトップからサッシュ付きの4ドアセダンに変更されると共に、スタイリングもスラントノーズ採用の流麗なフォルムに変貌しました。又、インスパイアには横基調の、セイバーには縦基調のフロントグリルが採用されました。ボディサイズは全長4,840mm×全幅1,785mm×全高1,420mmで、全長・全幅は先代2L/2.5L車と同一で、全高は15mm拡大されました。
又、ホイールベースは95mm短縮され2,745mmとなりました。サスペンション形式は4輪ダブルウィッシュボーン式が踏襲され、駆動方式も引き続きFFが採用されました。エンジンは、先代まで設定されていた直5のG20A/25A型が廃止され、新開発された2L V6SOHCのJ25A型(最高出力200ps/最大トルク24.5kgm)及び3.2L V6SOHCのJ32A型(最高出力225ps/最大トルク30kgm)が用意されました。
トランスミッションは先代同様、全車に4速トルコン式ATが採用されました。安全装備面では、先代に引き続き全車にSRSデュアルエアバッグシステムやABSが採用された他、豪華・快適装備として全車に8ウェイパワーシートや電動トランクオープナー、レザー&木目調コンビのステアリングホイールが採用されました。
グレード体系はインスパイア/セイバー両モデル共通で、当初J25A型エンジン搭載のベースグレード「25V」、25VにDVDカーナビゲーションシステムを装備した「25V-NAVI」、J32A型エンジンを搭載し、レザーシートやDVDカーナビゲーションシステム、1インチアップの16インチアルミホイールなどが備わる「32V」の3タイプがラインナップされました。
M/Cで安全装備を強化
そして2001年4月のマイナーチェンジにより、フェイスリフトと共に全長が20mm、全幅が10mm拡大された他、全車にi-SRSサイドエアバッグシステムとブレーキアシストが標準化されました。更に、ATが全車5速化されると共に、J32A型エンジンのアウトプットが最高出力260ps/最大トルク32kgmに高められました。
又、グレード体系も見直され、インスパイア/セイバー共にJ25A型エンジン搭載のベースグレードと、J32A型エンジンを搭載し車両挙動安定化制御装置「VSA」が備わる「タイプS」の2タイプに変更されました。そして2003年6月にフルモデルチェンジが実施され、インスパイアが4代目UC1型に移行すると共に、セイバーは廃止されました。