ホンダのミニバン「オデッセイ」は、2013年11月に5年ぶり4度目のフルモデルチェンジを実施しました。先代モデルの販売不振を背景に、3代目モデルから下げられた全高が再び高く設定され、居住性が大幅に向上した他、アクティブセーフティー機能が格段に進化した事が特徴でした。
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ボディサイズとホイールベースを拡大
ボディサイズは全長4,830mm×全幅1,800mm~1,820mm×全高1,685mm~1,715mmで、先代よりも一回り拡大されました。特に、全高は140mm~150mmも高く設定された事により、歴代オデッセイの中で最も背の高いモデルとなりました。又、プラットフォームが一新された事に伴い、ホイールベースが初代モデル以来初めて延長され、70mm長い2,900mmになりました。
そして、低床化も同時に実施した為室内高が大幅に拡大され、居住性の改善に繋がりました。又、7人乗りに加え新たに8人乗り仕様が加わった事も特徴でした。スタイリングは、背が高くなった事により先代とはイメージが大きく変わり、一般的なミニバンに近い雰囲気になりました。しかし、曲線を多用した流麗なフォルムの採用により、オデッセイらしい都会的なムードは踏襲されました。
スライドドアを採用、パワートレインと足回りを一新
又、初代からの伝統であったオールヒンジドアを止め、後部ドアが両側共にスライドドア化された事も大きな変化で、様々な面において通常のミニバンに近いコンセプトとなりました。パワートレインも一新され、K24A型に代わり、新開発された2.4L直4DOHCのK-24W型エンジンが搭載されました。標準グレード用のポート噴射式と、スポーティグレード「アブソルート」用の直噴式の2種類が用意され、更に後者はFF車と4WD車で異なるチューニングが施されました。
最高出力と最大トルクは、ポート噴射式が175ps/23kgm、直噴式のFF車が190ps/24.2kgm、同4WD車が185ps/24kgmのスペックで、全てのユニットの燃費がK24A型よりも向上しました。又、トランスミッションは全モデルが新設計のCVTに一本化され、初代モデルから設定されていたトルコン式ATは廃止されました。そして、サスペンション形式も変更され、前マクファーソンストラット式/後リジッドアクスル式(FF)・ドディオンアクスル式(4WD)となりました。
安全装備が充実
装備面では、レーザーレーダー式の衝突被害軽減ブレーキ「シティブレーキアクティブシステム」の他、ミリ波レーダーによる「CMBS(衝突軽減ブレーキ)」や「ブラインドスポットインフォメーション」がオプション設定されるなど、安全装備が大幅に強化されました。次いで2015年1月の一部改良において、新たな安全運転支援システムとして、ミリ波レーダー+単眼カメラにより一層機能を進化させた「ホンダセンシング」が採用されました。
そして販売台数の減少を受け、1994年から27年の歴史に幕を閉じ、オデッセイは2021年をもって生産が終了しました。