ホンダのミニバン「オデッセイ」は、同社初のミニバンとして1994年10月に発売されました。当時、国内市場では、1980年代に登場した「日産プレーリー」や「三菱シャリオ」が先鞭を付けたミニバンがブームになっていましたが、セダンやクーペが主力でミニバンを持たなかったホンダは販売面で苦戦を強いられていました。
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初代ホンダ オデッセイ (1994-1999 RA1-5)
苦境のホンダを救ったクリエイティブ・ムーバー
そうした状況を打開すべく満を持して投入されたオデッセイは、乗用車の延長線上による独自の設計が消費者に受け入れられ、ホンダ自身の予想を遥かに上回る大ヒット作となり、同社の苦境を救う救世主的な存在となりました。以後、ホンダはミニバンやSUVを次々とリリースする事になるなど、方向性を大きく転換する分岐点となりました。
初代モデルは、Dセグメント相当の全長と全幅に、乗用車よりもやや高めに設定された全高を持つワゴンに近いボディでした。この独特なデザインに加え、全てのドアが乗用車同様のヒンジタイプであった事が、オデッセイならではの個性となりました。又、シートレイアウトの相違により、6人乗りと7人乗りが選択出来ました。
パワートレインは、発売当初は2.2L直4エンジンと4速トルコン式ATの組み合わせで、駆動方式はFFとフルタイム4WDが用意されました。その後、マイナーチェンジにより排気量が2.3Lに拡大され、追って3L V6モデルが追加されました。初代モデルはコンセプトや基本性能が評価され、日本カーオブザイヤー特別賞とRCJカーオブザイヤーに輝きました。
2代目ホンダ オデッセイ (1999-2003 RA6/7/8/9)
キープコンセプトで人気を維持
「オデッセイ」は、1999年12月に初のフルモデルチェンジを実施し、2代目となりました。初代モデルが予想以上の大ヒットとなった事もあり、冒険を避けたキープコンセプトによる手堅いモデルチェンジとなりました。又、先代の途中で追加された3Lエンジン搭載車は、「オデッセイプレステージ」の車名による派生モデル扱いからオデッセイの一グレードとなりました。
3代目ホンダ オデッセイ (2003-2008 RB1/2)
全高1,550mm。大胆なフロントフェイスに
「オデッセイ」は、2003年10月に4年ぶり2度目のフルモデルチェンジを実施し、3代目となりました。従来よりも全高を低く設定する事で低重心化を実現し、走行性能の追求に有利なディメンションになると共に、エンジンも刷新されるなど、大幅な路線変更とリフレッシュが図られた事が特徴でした。
4代目ホンダ オデッセイ (2008-2013 RB3/4)
低全高パッケージングを継承。3代目を熟成
「オデッセイ」は、2008年10月に5年ぶり3度目のフルモデルチェンジを実施し、4代目となりました。先代から採用された低車高・低重心コンセプトを受け継ぐと共に、エンジンの改良により燃費や環境性能が改善されました。又、オデッセイでは初となる運転支援システムが取り入れられた事も特徴でした。
5代目ホンダ オデッセイ (2013-2021 RC1/2)
全高を上げスライドドア化。安全装備も進化
ホンダのミニバン「オデッセイ」は、2013年11月に5年ぶり4度目のフルモデルチェンジを実施しました。先代モデルの販売不振を背景に、3代目モデルから下げられた全高が再び高く設定され、居住性が大幅に向上した他、アクティブセーフティー機能が格段に進化した事が特徴でした。
そして販売台数の減少を受け、1994年から27年の歴史に幕を閉じ、オデッセイは2021年をもって生産が終了しました。