ホンダのミニバン「オデッセイ」は、2008年10月に5年ぶり3度目のフルモデルチェンジを実施し、4代目となりました。先代から採用された低車高・低重心コンセプトを受け継ぐと共に、エンジンの改良により燃費や環境性能が改善されました。又、オデッセイでは初となる運転支援システムが取り入れられた事も特徴でした。
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キープコンセプトのスタイリング
スタイリングは、先代からのキープコンセプトにより、ミニバンとしては低くスタイリッシュなフォルムが踏襲されました。又、Aピラーの位置が後退し、相対的にボンネットが長くなった事で、よりステーションワゴン的なイメージに近づきました。ドアが全てヒンジタイプである事や、乗車定員が7人である事は先代から踏襲されました。
ボディサイズは全長4,800mm×全幅1,800mm×全高1,545mm~1,565mmで、全長が僅かに延長された他は先代とほぼ同サイズで、ホイールベースも初代モデル以来不変の2,830mmでした。車両重量は先代よりも僅かながら軽量化され、1,600kg~1,690kgとなりました。サスペンションは、これも初代モデルから踏襲される4輪ダブルウィッシュボーン式が採用されました。
4代目オデッセイのCM
エンジンを改良し、安全性も向上
エンジンは、先代から2.4L直4DOHC i-VTECのK24A型を踏襲しつつ、パワーアップと共に燃費・環境性能の改善が図られました。先代同様、標準グレード用、スポーティグレード「アブソルート」のFF車用、同フルタイム4WD車用の、チューニングの事なる3種類が用意され、最高出力と最大トルクはそれぞれ173ps/22.4kgm、206ps/23.7kgm、204ps/23.5kgmとなりました。
トランスミッションは、先代同様FF車にCVT、フルタイム4WD車に5速トルコン式ATが搭載され、新たに低燃費走行を支援する「ECONモード」がアブソルート以外のグレードに新設されました。装備面では、一部グレードにアダプティブクルーズコントロールや車線維持支援システムといった運転支援機能と、SRSサイド&カーテンエアバッグシステムが標準装備されるなど、安全性が一歩前進した事が特徴でした。
2009年9月に一部改良を実施し、グレード体系や装備の見直しが行われました。次いで2011年10月にマイナーチェンジを実施し、フェイスリフトと共にVSA(横滑り防止装置)の装備や全席にヘッドレストを装備といった変更が行われた他、アブソルートにもECONモードが装備されました。翌2012年7月には、一部改良に伴い充実した装備を持つ新グレードが追加されました。
先代から受け継いだ乗用車感覚の強いミニバンというコンセプトを求める消費者が少なくなり、車高が高くスライドドアのミニバンへの人気が移行していきました。そういった市場の変化の中で、4代目オデッセイの販売台数は歴代モデルの中でも少なく、厳しくなっていきました。その結果、次期モデルではコンセプトを大きく転換する事となりました。