シトロエンのDセグメントモデル「C5」は、2001年に初代モデルが「エグザンティア」の後継モデルとしてデビューし、2007年のフルモデルチェンジにより2代目となりました。先代から内外装のイメージを一新しながらも、独自のハイドラクティブサスペンションを踏襲するなど伝統的なシトロエン車らしさが受け継がれました。日本では2008年10月から販売が開始されました。
ボディはセダンとワゴンの2本立て
ボディタイプは4ドアセダンと5ドアステーションワゴンの「ツアラー」がラインナップされ、スタイリングはダイナミックさとエレガントさを両立させたデザインを特徴とします。ボディサイズは全長4,795mm×全幅1,860mm×全高1,470mmとEセグメントに迫る大きさで、ホイールベースも2,820mmのロングホイールベースとなっています。車両重量は1,600~1,790kgとなります。
サスペンション形式は、フラッグシップモデル「C6」と同様の前:ダブルウィッシュボーン式/後:マルチリンク式で、油圧式サスペンション「ハイドラクティブⅢプラス」の採用が特徴でした。駆動方式は他のシトロエン車同様FFで、発売当初日本仕様に用意されたエンジンは、2L直4NA(最高出力143ps/最大トルク20.8kgm)と3L V6 NA(最高出力215ps/最大トルク30.5kgm)の2種類でした。
トランスミッションは前者には4速、後者には6速のトルコン式ATが組み合わせられました。インテリア面での特徴はパッド固定式のセンターフィックスステアリングを採用した事で、装備面ではSRS9エアバッグシステムやエレクトリックパーキングブレーキ、パーキングスペースセンサーなどが全車に、更にツアラーには電動パノラミックガラスサンルーフやエレクトリックテールゲートが採用されました。
ダウンサイジングターボ車を追加
発売当初のグレード体系は、セダン/ツアラー共に「2.0」と「3.0エクスクルーシブ」の2種類でした。そして2010年5月にマイナーチェンジを実施し、1.6L直4ターボエンジン(最高出力156ps/最大トルク24.5kgm)と新開発の6速トルコン式ATを搭載する新グレード「セダクション」と「エクスクルーシブ」が追加され、2Lエンジン搭載車は廃止されました。
次いで2012年2月に一部改良を行い、内外装の一部を変更すると共に、雪道など滑り易い路面での走行性能を向上させる「インテリジェント・トラクションコントロール」が装備されました。同時に3L車がカタログ落ちし、1.6L車に一本化されました。続いて同年10月に2度目のマイナーチェンジを実施し、フェイスリフトと共に新デザインのアロイホイールが採用されました。
そして2015年5月に、日本向けC5が生産終了となる事を受け、最終限定車として「エクスクルーシブ」をベースに18インチホイールを装備する「Final Edition」が発売されました。