ホンダ 新型オデッセイの値引き/納期/実燃費レポート
ホンダのミニバン「オデッセイ」は、2013年11月に5年ぶり4度目のフルモデルチェンジを実施し、5代目となる新型となりました。先代モデルの販売不振を背景に、3代目モデルから下げられた全高が再び高く設定され、居住性が大幅に向上した他、アクティブセーフティー機能が格段に進化した事が特徴でした。また、これまでリアはヒンジドアを継承してきましたが、5代目ではついにスライドドアになりました。
2016年2月4日にマイナーチェンジを実施。ガソリンモデルのグレードが見直されると共に、待望のハイブリッドが追加となりました。
また、2020年11月6にマイナーチェンジを実施。フロントフェイスの刷新やインパネデザインの変更など大規模な変更が行われました。
オデッセイは販売が終了となりました。オデッセイに相当する車種の新車購入ガイドは以下となりますので参照ください。
新車購入ガイド:【2024最新】ステップワゴン値引き 納期 乗り出し価格
以下の記事はオデッセイ発売終了前の内容となります。
ホンダ 新型オデッセイ/ハイブリッドの値引き相場
値引き交渉の深さ | 値引きの目安 |
特に値引き交渉をしない | ~10万円 |
競合を絡ませて値引き交渉 | 11~30万円 |
限界値引き交渉・オプション多数 | 31~50万円 |
ホンダ オデッセイ/ハイブリッドの値引き難易度:B
(A:甘い ~ E:渋い)
初代から4代目までとは大きくコンセプトを変え、3列目もあるステーションワゴン的なパッケージングから、スライドドアを備え3列目もしっかり座れる車高を抑えたLクラスのミニバンとなりました。ただし、このセグメントはアルファード/ヴェルファイアの独壇場となっており、その下のエスティマは年数の経過したモデルをマイナーチェンジでやり繰りしています。
オデッセイも販売はあまり芳しくなく、モデルライフの前半から値引きが大きい状況です。値引き額が40万円を超えた事例も数多くあるので、しっかりとポイントを理解して値引き交渉を進めましょう。
マイナーチェンジで追加となったハイブリッドは、販売好調なことを受けてガソリン車よりも少しガードがきついものの、追加から期間が経過し値引きを引き出しやすくなってきました。
ホンダ オデッセイ/ハイブリッドの納期:標準
- 納期:1ヵ月~2ヵ月
発売当初から先代から大きく変更したパッケージング、ハイブリッドの設定がなかったため納期は標準レベルでした。2020年11月に大規模マイナーチェンジを実施しましたが納期は特に変化がありません。
オデッセイの値引き/納期がわかったら次にすべき事
「新型オデッセイ/ハイブリッドの値引き相場と納期がわかった!すぐに商談に行く!」。しかし、焦りは禁物。商談を始める前に、今乗っている車の一括査定が必須です。
自分の車の相場を把握せずに値引き交渉に入ると、新型オデッセイ/ハイブリッドの魅力と「すぐ決めて頂ければ値引きを…」「納期の短い車両が1台だけあります」という甘い誘いに負け、下取り額に対してルーズになってしまい、買換え全体では損をする事になります。
まずは「ナビクル」など、ネットで今すぐ簡単にできる「一括査定サービス」を使ってみましょう。複数社に査定してもらうと査定の差額は【18万円】となる事もあります。→そんなに違うの?買取り額の【差額事例集】
「ナビクル」なら数項目の入力が完了するとすぐに相場がわかります。→愛車の買取り相場をすぐに調べる 新型オデッセイ/ハイブリッドを見に行って値引き交渉を始める前に、愛車の買い取り相場を調べておくのが失敗を防ぐ大きなポイントです。
オデッセイの価格/グレード/実燃費
オデッセイのグレード別 新車価格
オデッセイ e:HEV(ハイブリッド)
- パワーユニット:2.0L DOHC i-VTEC+2モーターハイブリッド
- トランスミッション:電気式無段変速機
グレード | 乗車定員 | 駆動方式 | 消費税10%込価格 |
e:HEV ABSOLUTE | 8名 | FF | 4,198,000円 |
7名 | 4,286,000円 | ||
e:HEV ABSOLUTE EX | 7名 | 4,580,000円 |
オデッセイ(ガソリン)
- パワーユニット:2.4L DOHC i-VTEC
- トランスミッション:無段変速オートマチック(トルクコンバーター付)
グレード | 乗車定員 | 駆動方式 | 消費税10%込価格 |
ABSOLUTE | 8名 | FF | 3,495,000円 |
4WD | 3,715,000円 | ||
7名 | FF | 3,583,000円 | |
ABSOLUTE EX | 7名 | FF | 3,815,000円 |
8名 | 4WD | 3,929,400円 |
※価格は2020年11月18日現在のメーカー小売希望価格(消費税10%込)です。最新の価格はメーカー公式HP、またはディーラーでご確認下さい。
ホンダ オデッセイのグレード選び
グレード構成
スポーティなABSOLUTEと標準外装がありましたが、2020年11月のマイナーチェンジでグレード構成も見直され、ABSOLUTEに一本化されバリエーションがシンプルになりました。
ガソリン、e:HEV(ハイブリッド)それぞれに標準グレードの「ABSOLUTE」、上級グレードの「ABSOLUTE EX」が設定されています。
パワートレイン
パワーユニットはガソリンエンジンが2.4L直4、e:HEV(ハイブリッド)が2.0L直4+モーターの計2種類となります。
4WDはガソリンエンジンモデルのみに設定されています。トランスミッションはオートマチックのみとなります。
7人乗りか、8人乗りか
7人乗りシートはリクライニング機構など非常に凝った造りで、予算が許すなら選択したい所ですが、7人乗りと8人乗りの価格差は約9万円と少し開いています。
7人乗りシートは非常に凝った作りで2列目に乗せた人からの評判も良く、上級ミニバンらしい装備でもあるので、価格差を考えたら選びたいところです。
ハイブリッドシステム「e:HEV」の特徴
2016年2月4日に追加となったハイブリッド(現在はe:HEVと呼称)は、最高出力135kW[184PS]、最大トルク315N・m[32.1kgf・m]という高出力のモーターを搭載し、かなりの広範囲をモーターのみの走行で可能とするハイブリッドシステムとなっています。
注目すべきはモーターの出力
オデッセイ |
オデッセイ |
トヨタ ノア |
|
エンジン |
2.4L |
2.0L |
1.8L |
エンジン最高出力 |
129[175] |
107[145] |
73[99] |
エンジン 最大トルク |
225[23.0] |
175[17.8] |
142[14.5] |
モーター最高出力 |
– |
135[184] |
60[82] |
モーター最大トルク |
– |
315[32.1] |
207[21.1] |
オデッセイ ハイブリッドで注目すべきはモーター出力の大きさと言えます。上図はガソリンエンジンの「オデッセイ アブソルート」とハイブリッド2車種「オデッセイ e:HEV アブソルート」「トヨタ ノア」との比較になります。
プリウス、フィットなど、これまでのフルハイブリッドとして主流となっている車両のモーターは、あくまでもエンジン出力がメインで、モーターはアシスト役でした。オデッセイの場合、e:HEVのモーター出力はガソリン車のエンジン出力とほぼ同等の最高出力、そしてトルクでは上回っています。
これは「モーターが主でエンジンがアシスト」を意味しています。高速走行や登坂など負荷の大きい場合はモーターとエンジンの動力を使って走行しますが、市街地走行、低速走行などデイリーユースでの殆どの場面では、モーターの動力のみで走行、エンジンは発電に専念という役割分担で走行します。
プリウス、ノアなどのハイブリッドは、低速走行・低負荷走行時にモータ動力のみで走行、市街地走行時の発進、加速時にエンジン+モーター動力で走行という組み合わせです。オデッセイ e:HEVの最大の特異点はこのような点にあります。
オデッセイの実燃費(2名乗車時の目安)
e:HEV(ハイブリッド)の実燃費
走行シーン | 燃費 |
高速道路中心 | 16~20km/L |
郊外・幹線道路 | 15~18km/L |
市街地 | 15~17km/L |
オデッセイ e:HEVはEV走行が可能なフル・ハイブリッド方式というだけでなく、大出力のモーターと容量の大きいバッテリーを装備しています。市街地走行では基本的にモーターの動力で走行し、エンジンは発電に用いられます。そのため、ラージクラスのミニバンとしては突出した燃費性能を誇ります。
市街地走行に対して高速での燃費があまり伸びないのは、市街地のようなゴー・ストップが多いシーンでは減速によるエネルギー回生をする機会が多い一方で、高速などではエネルギー回生の機会が少ない事によります。
ガソリン車の実燃費
走行シーン | 燃費 |
高速道路中心 | 13~16km/L |
郊外・幹線道路 | 9~11km/L |
市街地 | 8~10km/L |
ガソリンエンジン車もハイブリッド程の燃費ではないものの、3列シートを持つラージ・ミニバンとしてはそれなりの燃費と言えます。
ホンダ オデッセイのマイナー/フルモデルチェンジ/特別仕様車
2013年11月1日 5代目オデッセイにフルモデルチェンジ
四輪ダブルウィッシュボーンサスペンションと低い全高、後席ヒンジドアという上級乗用車の要素を持つミニバンとしてモデルチェンジを続けてきましたが、大きくコンセプトを変更。
全高をアップ、リヤサスペンションはトーションビーム、スライドドアを持つ国内ミニバンの主流と言える要素に変更となりました。
2014年6月5日 G・エアロパッケージを追加
初期モデルで不評だったアブソルートの乗り心地の悪さを改善すべく、ノーマル外観のサスペンションセッティングとアブソルートのスポーティな外観を組み合わせたモデルが追加となりました。
2014年10月17日 20周年特別仕様車「ABSOLUTE・20th Anniversary」を追加
専用のコンビシートやバイオレット照明メーターを装備したお買い得な特別仕様車が設定されました。
2015年1月23日 マイナーチェンジ実施「Honda SENSING」を搭載
先進の安全運転支援システムである「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を搭載
Honda SENSINGの機能
衝突軽減ブレーキ<CMBS>、誤発進抑制機能、先行車発進お知らせ機能、標識認識機能、LKAS<車線維持支援システム>、路外逸脱抑制機能、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)
2015年9月18日 特別仕様車「アブソルート・アドバンス」を追加
マルチビューカメラシステムやブラック大開口フロントグリルなどを装備した特別仕様車「アブソルート・アドバンス」が設定されました。
2016年2月5日 マイナーチェンジ実施 ハイブリッドを追加
5代目となる現行モデルが登場した時から噂になっていたハイブリッドモデルが追加となりました。JC08モード燃費は26.0km/Lと、このクラスのミニバンとしては破格のスペックとなっています。
2017年11月17日 マイナーチェンジ実施 フロントフェイスのリニューアルとグレード構成変更
フォグランプがLEDとなるなどフロントフェイスの変更や快適装備の見直し、ノーマルとアブソルートに分かれていた外観をアブソルートのものに一本化してグレード構成をシンプルにするなどの変更が行われました。
2020年11月6日 マイナーチェンジ実施 フロントフェイス変更など
内外装のデザイン変更とグレード構成の見直しなど大規模なマイナーチェンジが実施されました。
ホンダ オデッセイの値引き交渉に使う競合車
オデッセイの値引き交渉をして安く購入する為には、前もって競合車種の乗り出し価格の見積もりを取っておきましょう。競合車種とポイントは以下の通りです。
トヨタ アルファード/ヴェルファイア
国産Lクラスミニバンで圧倒的な人気を誇るアルファード/ヴェルファイア。モデルチェンジを重ねる度に質感・居住性を向上させてきました。
人気薄のオデッセイと比べるとアルファード/ヴェルファイアは人気車種なので、オデッセイを引き合いに出しても値引きは期待しづらいですが、ノーマルグレードはオデッセイの価格帯と重なりますので、見積もりを持っておくだけでもオデッセイの値引き材料に有効です。
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日産 エルクランド
オデッセイより上のクラスになりますが、アルファード/ヴェルファイアと比べると車高を抑えて居住性よりも走行性能を重視している点ではオデッセイと近いコンセプトの車です。
エルグランドはモデル末期に差し掛かっているので大幅な値引きが期待できます。オデッセイと競合させて大幅な値引きを引き出しましょう。
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オデッセイ/ハイブリッド 強み/弱み/値引き込みの総合評価
オデッセイの値引きを引き出すにあたっては、上記のアルファード/ヴェルファイア、エルグランドの乗り出し価格の見積書を事前に入手してから臨みましょう。また、納期の違いについても確認しておきましょう。他社ライバル車種や同じクラスの車種の見積もりを比較する事で、購入に対する本気度も伝わり、オデッセイの値引きを引き出し易くなります。
オデッセイの強み
スライドドアと3列目居住性の拡大
3代目、4代目のオデッセイでは全高1,550mmのタワーパーキングに入るミニバンとして人気となりましたが、現行となる5代目ではパッケージングを大きく変更。車高を上げ、居住性を拡大するとともにリアをスライドドアとして、ファミリーユースでの使い勝手を向上させました。
高さ制限のあるタワーパーキングへの入庫が不可になったものの、それ以上に得られたものは大きいと言えます。
ミニバンらしからぬハンドリング
車高が高くなり、スライドドアの一般的なミニバンスタイルになったものの、ミニバンとしては低重心にまとめ、カーブや高速ではミニバンらしからぬハンドリングを誇ります。一般的な背の高いミニバンから乗り換えると、かなりの違いを体感できます。
北欧家具のような落ち着いた内装デザイン
5代目オデッセイは、派手さよりも北欧家具のような落ち着いた質感の高い内装デザインとなりました。マルチインフォメーションディスプレーも派手さを追わず、あえて落ち着いた印象にまとめ、全体の雰囲気を大人のミニバンにまとめています。
オデッセイの弱点
ライバルに対する弱点:車格、乗り心地→大幅改善
アルファード/ヴェルファイアが徹底的に箱型を意識したパッケージングであるのに対し、オデッセイは出来るだけ車高を抑え、決して狭くはないものの程々の室内空間としています。家族受けは間違いなくアルファード/ヴェルファイアの方が上だと言えます。
また、オデッセイは先代まではアコード(セダン)をベースにした低重心と四輪ダブルウィッシュボーンによるしなやかな足回りが特徴でしたが、5代目はステップワゴンをベースとしてリアサスがトーションビームとなりました。アルファード/ヴェルファイアがリアをマルチリンクに変更したのは逆行する形となり、走りの魅力がマイナスになっています。
追記:マイナーチェンジによって、これまで最大の弱点だった乗り心地は大幅改善。今まで乗り心地でオデッセイ購入を躊躇していた人は、ぜひマイナーチェンジ後の乗り心地を試してみましょう。
オデッセイの値引き込みの総合評価:3.5 (5段階評価)
フルモデルチェンジが見送られ、やや旧型感が
5代目オデッセイが登場した際に、歴代のオデッセイファンからは落胆の声が多く聞こえました。それまで踏襲してきた低い全高、四輪ダブルウィッシュボーンサスペンション、リヤヒンジドアなど、それまでオデッセイのアイコンとも言える要素をことごとく廃し、別のモデルと言えるほどのキャラクターチェンジを行なった為です。
当時のホンダは車種ラインナップの見直しを図っており、オデッセイの上にあったエリシオンが販売不振で廃止となる頃でした。エリシオンの抜けた穴を補完する必要があった事と、オデッセイの販売台数が低下傾向にあった為、大きな変更に至ったと推測されます。
他のミニバンのようなスペックになったからと言って、走行性能が悪くなってしまっては歴代オデッセイユーザーの代替流出が起きてしまうため、5代目オデッセイの初期モデルのアブソルートは足回りをガチガチに固め、ハンドリングを優先した味付けがこれが裏目に出ました。
見た目はスポーティなアブソルートが圧倒的に魅力的だった為、多くのユーザーがアブソルートを選択しましたが、想像以上に固い足回りで乗り心地が非常に悪く、上級ミニバンの快適性を期待していたユーザーからは多くのクレームが入り、乗り心地を改善するパーツ交換に応じるなどの対応に追われました。
また、5代目オデッセイ登場からあまり時期を置かずに登場する計画となっていましたが、フィットハイブリッドのリコールが連発し、ホンダのハイブリッドモデル全ての導入計画が遅れることになりました。
そう言った導入序盤のつまづきもあって、歴代オデッセイのヒットから考えると非常にさみしい販売状況が続き、リリース時から値引き額はかなり大きくなっていますが、乗り心地の改良やハイブリッドの投入などで課題は解決されています。
2020年のマイナーチェンジで大幅にリフレッシュされましたが、この時点で発売から7年経過しており、本来であればフルモデルチェンジのタイミングとも言えます。
販売台数の落ち込みにより苦渋の決断と言えますが、高級ミニバン市場ではトヨタのアルファード・ヴェルファイアに大きく差をつけられている状況が続きます。
オデッセイはモデルライフとしては古いものとなりましたが、低床・低重心でスタイリッシュなのに広い居住空間を持つ完成度の高いミニバンですが、あまり人気がない為に値引きも引き出しやすいので、アルファード・ヴェルファイアでは大き過ぎると感じる方にはおすすめです。