ホンダは1996年11月に、クリエイティブムーバー・シリーズ第4弾となるコンパクトなミニバン「S-MX」を発売しました。全長4mを切る短いボディながら、ボクシーなフォルムの採用やメカニズムスペースのミニマム化により、広い室内空間を実現した事が特徴でした。又、低床フラットフロアの採用などにより、優れたユーティリティーも備えていました。
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ボディは左右非対称の4ドア
ボディタイプは、テールゲートの他運転席側に1枚、助手席側に2枚のドアを備える左右非対称デザインの4ドアで、ショート&トールのディメンションや厚みを持たせたフロントマスクと相まって、個性的なスタイリングを実現していました。ボディサイズは全長3,950mm×全幅1,695mm×全高1,735~1,760mmの5ナンバーサイズで、ホイールベースは2,500mm、車両重量は1,330~1,420kgでした。
サスペンション形式はフロントがマクファーソンストラット式、リアがダブルウィッシュボーン式で、駆動方式はFFとフルタイム4WDが設定されました。エンジンは2L直4DOHC16バルブ のB20B型(初期型のスペックは最高出力130ps/最大トルク18.7kgm)のみの設定で、トランスミッションはコラム式の4速トルコン式ATが組み合わせられました。
室内は、発売当初は全車にリクライニング&スライド機構が備わるベンチシートを前後共に採用し、パラレル・ウォークスルーと同時に大容量のフリースペースを実現していました。乗車定員は全車4人乗りでした。発売当初のグレード体系は、グレード名無しの標準車がFF/4WD車に、ローダウンサスペンションを装備する「LOWDOWN」がFF車のみに設定されました。
ホンダ S-MXのCM
Honda Collection Hall 収蔵車両走行ビデオ S-MX
4度のM/Cで仕様を変更
そして1997年9月にマイナーチェンジが実施され、全車にABSや前席3点式ロードリミッター付きシートベルトが採用されるなど、安全装備の充実が図られました。同時に、専用ボディカラー「タフタホワイト」を採用した新グレード「LOWDOWNホワイトストリーム」が追加されました。次いで1998年5月に2度目のマイナーチェンジが実施され、内外装色の追加や変更が行われました。
続いて1999年9月に3度目のマイナーチェンジが実施され、新・衝突安全設計ボディが採用されると共にエクステリアデザインが変更されました。又、エンジンが高効率化され、スペックが最高出力140ps/最大トルク19kgmに向上すると共に燃費が改善されました。更に内装も仕様変更が行われ、前席をセパレート化すると共に乗車定員が5人となりました。(「LOWDOWN」のみベンチシート4人乗り仕様も用意)
次いで2000年12月に4度目のマイナーチェンジが実施され、内外装が一部変更された他、標準車をベースにベンチシート4人乗り仕様とした新グレード「CUSTOM BASIC」が追加されました。そして2002年8月に生産を終了、後継モデルは用意されなかった為一代限りのモデルとなりました。