かつて存在していたメーカー、ダイムラー・クライスラー(現フィアット・クライスラー・オートモビルズ)は、2006年1月に開催された北米国際自動車ショーにおいてジープ・ブランドの新型クロスオーバーSUV「コンパス」を発表しました。「チェロキー」の弟分にあたるモデルで、ジープ・ブランドとして初のFFベースとなる点が特徴でした。
CVT車も用意
プラットフォームはダイムラー・クライスラー/三菱・GSプラットフォームで、ボディタイプは5ドアでした。エクステリア・デザインは、丸型2灯式のヘッドランプや7スロットのフロントグリルなどジープ・ブランドのアイコン性を継承しながらも、インビジブル処理されたリアドア用ノブや三角形のCピラーを採用するなど、都会的な雰囲気に仕立てられていました。
ボディサイズは全長4,405mm×全幅1,810mm×全高1,740mmと比較的コンパクトで、ホイールベースは追ってリリースされた姉妹車種「パトリオット」と同一の2,635mmでした。駆動方式は、FFとデフロック機構が備わるフルタイム4WDが設定されました。北米仕様車向けのエンジンは当初2.4L直4(最高出力170ps/最大トルク22.4kgm)のみの設定で、トランスミッションは5速トルコン式ATとCVTが用意されました。
4輪独立懸架を採用
サスペンションはオンロードでの快適性を重視し、フロント:マクファーソンストラット式/リア:マルチリンク式による4輪独立懸架が採用されました。また、ブレーキはフロントがベンチテーテッド型、リアがソリッド型の4輪ディスク式が採用されました。グレードは、下から「スポーツ」「ラティチュード」「リミテッド」の3タイプのラインナップでした。
その後2011年にフェイスリフトが実施され、内外装デザインの変更やサスペンションの改良などが図られました。そして2016年後半にフルモデルチェンジが実施され、現行型に移行しました。日本市場への初上陸は2012年3月で、当初のグレードはリミテッドのみ、ドライブトレインは2L直4エンジン(最高出力156ps/最大トルク19.4kgm)+CVT+FF方式の組み合わせでした。
安全装備面ではSRSデュアルエアバッグシステムやブレーキアシスト付きABSなどが、快適装備としてはフルオートエアコンや運転席パワーシート、クルーズコントロールなどが採用されました。その後2013年7月にラインナップが見直され、2Lエンジン+6速トルコン式AT+FF方式のスポーツと、2.4Lエンジン+6速トルコン式AT+4WDのリミテッドの2タイプとなりました。
追って翌2014年2月にはスポーツが廃止され、代わってトランスミッションをCVTに変更した「アルティテュードスポーツ」が設定されました。次いで2016年1月にアルティテュードスポーツが廃止されスポーツが復活、追って3月にはそのスポーツにリミテッドと同じドライブトレインを搭載するモデルが追加されました。