かつて存在していた自動車メーカー、ダイムラー・クライスラー(現フィアット・クライスラー・オートモビルズ)は、2006年にSUV「ジープ・ラングラー」に通算2度目のフルモデルチェンジを実施し、現行JK型に移行させました。先代からプラットフォームが一新されるとともに、歴代モデル初の4ドア車や究極のオフロード性能を追求したモデルが設定されたことが特徴でした。
ボディサイズを拡大
ボディタイプは、4人乗りの2ドア・ソフトトップ仕様と同ハードトップ仕様、5人乗りの4ドア・ハードトップ仕様「アンリミテッド」の3タイプがラインナップされました。また、2ドア・ハードトップとアンリミテッドには分割して取り外しができる「フリーダムトップ」が採用されたほか、2ドア・ソフトトップにはオプションでフロント部分のみを開閉できる「サンライダーソフトトップ」が設定されました。
エクステリア・デザインは、張り出した前後のフェンダーを持つクラシカルな出で立ちや、丸型2灯式ヘッドランプと7スリットのフロントグリルを配したフロントマスクなどが継承されました。2ドア車のボディサイズは全長4,223mm×全幅1,873mm×全高1,800mmで、先代から一回り以上拡大されました。また、ホイールベースも50mmほど延長され2,424mmとなりました。
エンジン・ラインナップを一新
一方アンリミテッドは、全長4,751mm×全幅1,873mm×全高1,800mm、ホイールベース2,947mmのディメンションとなっていました。サスペンション形式は従来同様前後とも4リンク・リジッド式で、駆動方式もパートタイム4WDが踏襲されました。エンジンは先代のガソリン2.4L直4DOHCおよび4L直6OHVに代わり、ガソリン3.8L直6OHVと2.8L直4DOHCディーゼルターボが用意されました。
スペックは、ガソリンが最高出力199ps/最大トルク32.1kgm、ディーゼルが最高出力177ps/最大トルク40.8kgmでした。トランスミッションは前者には4速トルコン式ATまたは6速MTが、後者には5速トルコン式ATが組み合わせられました。ブレーキはフロントはベンチレーテッド・ディスク式を踏襲し、リアはドラム式からソリッド・ディスク式にアップグレードされました。
安全装備を強化
安全装備面ではSRSデュアルエアバッグシステムに加え、歴代ラングラー初のSRSサイドエアバッグシステムやABS、横滑り防止装置「ESP」などが標準装備されました。基本グレードは「スポーツ」「XS」「サハラ」「ルビコン」の4タイプで、このうちルビコンには「トゥルロックディファレンシャル」「ロックトラックトランスファー」などオフロード性能を高めるための専用装備が備わっていました。
その後2012年に、ガソリンエンジンが3.6L V6DOHC(最高出力284ps/最大トルク35.4kgm)に置換されるとともに、組み合わせられるATが5速に変更されました。日本市場における展開は、2007年3月にまず2ドア「スポーツ」「サハラ」「ルビコン」とアンリミテッド「スポーツ」「サハラ」が導入されました。搭載エンジンは、いずれもガソリン3.8Lでした。
その後2008年4月に、アンリミテッドにもルビコンが設定されました。次いで2012年1月にエンジンが3.6Lに変更されるとともに、グレードが2ドアはサハラのみに、アンリミテッドはスポーツ/サハラの2タイプに整理されました。