ランボルギーニは2003年に開催されたジュネーブ・ショーにおいて、新型スーパーカー「ガヤルド」を発表しました。兄貴分にあたる「ムルシエラゴ」同様の、ミッドシップレイアウト+ビスカスカップリング式フルタイム4WD方式のドライブトレインを採用しながらも、1,430kgという軽量ボディを実現したことが特徴でした。
まずはクーペから
ボディタイプは、当初はフィクスドヘッドの2ドアクーペのみの設定でした。エクステリアは、ムルシエラゴ譲りのエッジを効かせたシャープなフォルムが備わる一方で、ドアはムルシエラゴのシザードアから一般的な前ヒンジ式に変更されました。ボディサイズは全長4,300mm×全幅1,900mm×全高1,165mmで、ムルシエラゴよりも一回り小さく、ホイールベースも100mmほど短い2,560mmでした。
車両重量は、ムルシエラゴと比較すると220kgも軽量に抑えられていました。サスペンション形式はムルシエラゴ同様の4輪ダブルウィッシュボーン式で、減衰力を自動で2段階に調整する「FSD」が装備されました。エンジンは当初、5L V10DOHC NA(最高出力500ps/7,800rpm・最大トルク52kgm/4,500rpm)が搭載されました。
組み合わせられるトランスミッションは、6速MTまたは「e-gear」と呼ばれるパドルシフト付6速セミATで、前者のパフォーマンスは最高速度309km/h・0-60mph加速4.1sでした。ブレーキはフロントに365mm径、リアに335mm径のディスクローターが備わる4輪ベンチテーテッド・ディスク式で、タイヤはフロントに235/35ZR19が、リアに295/30ZR19が装着されました。
また、走行性能を高める装備として、車両安定化制御装置「ESP」や「ASR」と呼ばれるトラクションコントロール、「ABD(オートマチックブレーキディファレンシャル)」が採用されました。その後2005年に5Lエンジンの最高出力が520ps/8,000rpmに高められ、パフォーマンスも最高速度315km/h・0-100km/h加速3.95sまで向上しました。
オープンモデルや軽量バージョンを追加
さらにこの年、電動ソフトトップが備わる2ドアロードスター「スパイダー」が追加されました。ボディの補強により車両重量は1,570kgまで増加したものの、最高速度はクーペに遜色ない314km/hに達しました。次いで2007年、クーペをベースにカーボンファイバー素材の多用により車両重量を1,330kgまで軽量化するとともに、5Lエンジンの最高出力を530ps/8,000rpmに高めて搭載する「スーパーレジェーラ」が追加されました。
最高速度は標準モデルと同等ながら、0-100km/h加速タイムは3.8sに短縮されました。次いで2008年にマイナーチェンジが実施され、エクステリア・デザインの変更とともにエンジンを新開発の5.2L V10DOHC NA(最高出力560ps/8,000rpm・最大トルク55.1kgm/6,500rpm)に置換した「LP560-4」「LP560-4スパイダー」に移行しました。
前者のパフォーマンスは最高速度が325km/hに向上するとともに、0-100km/h加速も3.7sまで短縮されました。続いて2010年には、内外装パーツにカーボンファイバー素材を多用し車両重量を1,340kgに軽量化するとともに、5.2Lエンジンの最高出力を570ps/8,000rpmに高めた「LP570-4スーパーレジェーラ」が設定されました。
そして2013年、後継モデル「ウラカン」にバトンタッチして生産終了となりました。