ランドローバーは1990年、1948年にリリースしたクロスカントリー型4WDモデル「ランドローバー」の改良型である「ランドローバー・90/110」にマイナーチェンジを実施すると共に、車名を「ディフェンダー」に変更しました。ボックスフレーム式シャシーや4輪リジッド・サスペンションなど、初期型ランドローバー以来のメカニズムを踏襲する古典的モデルでした。
様々なボディ・バリエーションを用意
シャシーは、ホイールベース2,360mmの「90」と2,794mmの「110」の2種類が設定されました。又、スクエアなフォルムを踏襲するアルミボディのバリエーションとして、90には2ドアハードトップ/3ドアステーションワゴン/シングルキャブピックアップが、110には2ドアハードトップ/5ドアステーションワゴン/ダブルキャブピックアップが用意されました。
ボディサイズは、全長3,658~4,648mm×全幅1,791mm×全高2,037~2,286mmでした。駆動方式はフルタイム4WDが踏襲され、エンジンは当初3.5L V8NA(最高出力134ps/最大トルク25.8kgm)及び4L V8NA(最高出力182ps/最大トルク31.8kgm)のガソリンと、2.5L直4NA(最高出力83ps/最大トルク18.5kgm)及びターボ(最高出力107ps/最大トルク26kgm)のディーゼルが用意されました。
トランスミッションは、当初は副変速機付き5速MTのみの設定であったものの、後に4速トルコン式ATが追加されました。その後1995年に、110から更に全長とホイールベースを延長した「130」が追加されました。次いで1998年、エンジンが新開発の2.5L直5ディーゼルターボ(最高出力122ps/最大トルク30.6kgm)に一本化されました。
ビッグM/Cを実施
それと同時に、ABSとトラクションコントロールが標準装備されました。続いて2007年のビッグマイナーチェンジで内外装デザインやシートレイアウトが変更されると共に、エンジンが2.4L直4ディーゼルターボ(最高出力122ps/最大トルク36.6kgm)に置換されました。次いで2012年、エンジンが2.2L直4ディーゼルーボ(最高出力122ps/最大トルク36.7kgm)に置換されました。
そして2015年12月、最新の安全基準や排出ガス規制への対応困難を理由に生産終了となりました。日本市場への正規輸入が開始されたのは1997年4月の事で、当初はガソリン4Lエンジン+4速ATを搭載する「90」のモノグレード設定でした。そして翌1998年12月に、ランドローバー誕生50周年を記念した特別仕様車「90SW 50周年記念モデル」が設定されました。
その後、ランドローバー社がフォード傘下に入った影響で1999年6月をもって一旦輸入が中止されたものの、2002年4月に2.5Lディーゼルターボエンジン+5速MTを搭載する「110SW」の輸入が再開されました。次いで同年9月に特別仕様車「ブラック」が設定され、翌2003年7月にはグレードが「110S」「110SE」の2タイプとなった他装備の充実化が図られました。
そして2005年8月をもって正規輸入は終了となったものの、その後も並行輸入会社による輸入が継続されました。