ランドローバーは2004年11月、「スポーツツアラーSUV」をコンセプトに掲げた新型SUV「レンジローバースポーツ」を発表、翌2005年春から欧州での販売を開始しました。レンジローバーの名を冠するものの、プラットフォームは弟分の「ディスカバリー3」用をベースにホイールベースを短縮したものが用いられ、スポーティな走行性能を持ち味としました。
レンジローバーよりもコンパクトなボディ
ボディタイプはレンジローバーなどと同様5ドアのみの設定で、スタイリングはレンジローバーのイメージが踏襲された他、Cd値も同一の0.37でした。ボディサイズは全長4,788mm×全幅1,928mm×全高1,784mmとレンジローバーよりも一回りコンパクトで、ホイールベースも100mm以上短い2,745mmに設定されました。
駆動方式はレンジローバー同様フルタイム4WDで、エンジンは当初、レンジローバーと共通の4.4L V8DOHC NA(最高出力299ps/最大トルク43.5kgm)及び4.2L V8DOHCスーパーチャージド(最高出力390ps/最大トルク56kgm)のガソリン2種類の他、2.7L V6DOHCディーゼルターボ(最高出力190ps/最大トルク44.9kgm)が用意されました。
トランスミッションはレンジローバーと同様、副変速機付き6速トルコン式ATが組み合わせられました。サスペンションは、ディスカバリー3と共通の4輪ダブルウィッシュボーン式+電子制御エアサスペンションが採用されました。又、走行性能に関連する装備面では、横滑り防止装置「DSC」や急な下り勾配で一定の低速度を維持出来る「HDC」などが採用されました。
フェイスリフトと共にエンジンを置換
その後2007年に、3.6L V8DOHCディーゼルターボエンジン(最高出力272ps/最大トルク65.3kgm)搭載車が追加されました。次いで2009年のフェイスリフトでフェイズ2に移行、同時にガソリンエンジンが5L V8DOHC NA(最高出力375ps/最大トルク52kgm)及び同スーパーチャージド(最高出力510ps/最大トルク63.7kgm)に置換されました。
又、ディーゼルターボは2.7Lに代わり、3L V6DOHC(最高出力245ps/最大トルク61.2kgm)が設定されました。そして2013年にフルモデルチェンジが実施され、現行L494型に移行しました。初代レンジローバースポーツの日本初上陸は2005年11月で、まず4.2Lスーパーチャージドエンジン搭載の特別限定車「ファーストエディション」が導入されました。
追って翌2006年1月、カタロググレードとして同エンジン搭載の「スーパーチャージド」と、4.4L NAエンジン搭載の「HSE」がリリースされました。次いで2008年3月、HSEに代わり装備を充実させた「4.4V8」が設定されると共に、スーパーチャージドのグレード名が「4.2V8スーパーチャージド」に変更されました。
続いて2009年6月、フェイズ2に切り替えられると共に、グレードが「5.0V8」と「5.0V8スーパーチャージド」の2タイプとなりました。次いで2010年9月には、専用の内外装やハーマン・カードン製オーディオが備わる5Lスーパーチャージドエンジン搭載の上級グレード「オートバイオグラフィースポーツ」が追加されました。