マツダは2002年4月、1991年に通算3代目へとフルモデルチェンジを図ったスポーツカー「RX-7」に、限定モデル「スピリットR」を設定しました。専用バケットシートやBBS製17インチ鋳造アルミホイールなどが装備されたことが特徴で、翌2003年4月に生産終了となった同車の最後を飾る限定モデルとなりました。
5速MTと4速ATを設定
ハッチゲートが備わる3ドア・フィクスドヘッドクーペ型のボディは、2シーター仕様と2+2シーター仕様が設定されました。エアロダイナミクスが追求されたスタイリングは、基本的に前年にリリースされた限定モデル「タイプRバサースト」などと共通であったものの、専用のレッド塗装ブレーキキャリパーがスピリットRの証となっていました。
ボディ・ディメンションは全長4,285mm×全幅1,760mm×全高1,230mm、ホイールベース2,425mm、トレッド1,460mm(前後とも)で、タイプRバサーストから変更はなく、車両重量はそれよりも10~20kg重い1,270~1,280kgとなっていました。サスペンション形式は4輪ダブルウィッシュボーン式を踏襲し、ブレーキも従来同様に4輪ベンチレーテッド・ディスク式が採用されました。
フロントミッドシップに搭載されるエンジンは、従来同様654cc×2ローター・ツインターボチャージャー仕様の13B-REW型ヴァンケル・ロータリーが採用されました。トランスミッションは5速MTのほか、タイプRバサーストには設定のなかった4速トルコン式ATも設定されました。5速MT仕様のアウトプットは、タイプRバサーストと同一の最高出力280ps/6,500rpm・最大トルク32kgm/5,000rpmでした。
また、ギアレシオはタイプRバサーストから5速のレシオが0.806から0.762へと若干高められた一方、ファイナルは4.100から4.300へと低められていました。一方4速AT仕様のアウトプットは、5速MT仕様よりも25ps/2kgm低い最高出力255ps/6,500rpm・最大トルク30kgm/5,000rpmとなっていました。10モード燃費は、タイプRバサーストの8.1km/Lに対し7.2km/L(MT仕様)・7.7km/L(AT仕様)となっていました。
ワイドタイヤを装着
ホイール&タイヤはタイプRバサーストよりもワイド&大径化が図られ、フロントに8JJ×17インチホイール+235/45R17タイヤ、リアに8.5JJ×17インチホイール+255/40R17タイヤの組み合わせが採用されました。また、安全装備面では、全車にSRSデュアルエアバッグシステムやEBD付4W-ABSなどが標準装備されました。
グレード体系は、5速MT・2シーター仕様の「タイプA」と同2+2シーター仕様の「タイプB」、そして4速AT・2+2シーター仕様の「タイプC」の3タイプがラインナップされました。装備面では、タイプA/タイプBにはビルシュタイン製ダンパーや大径リアスタビライザー、強化型トルセンLSDなどが、さらにタイプAのみにレカロ製軽量バケットシートが採用されました。