メルセデス・ベンツのDセグメントモデル「Cクラス」は、初代モデルが1993年に登場し、2014年7月に日本への導入が開始された4代目となりました。先代からプラットフォームが刷新されると共にボディの軽量高剛性化が図られた他、動力性能・操縦安定性・乗り心地・安全装備・利便性など全方位的に改善された事で、このクラスのベンチマーク的な存在となっています。
ボディサイズ拡大と共に空力特性を改善
ボディのバリエーションは、まず最初に4ドアセダンがデビューし、追って10月にステーションワゴンが追加されました。共にアルミニウムハイブリッドボディの採用により、ボディシェルの軽量化が図られました。スタイリングはキープコンセプトにより先代のイメージを受け継ぎながらも、「Eクラス」を彷彿とさせる風格が加わった他、セダンの場合でクラストップとなるCd値0.24を実現しました。
ボディサイズは、セダンが全長4,690~4,755mm×全幅1,810~1,840mm×全高1,430~1,435mm、ワゴンが全長4,705~4,770mm×全幅1,810~1,840mm×全高1,440~1,460mm、ホイールベースは共に2,840mmで、全高を除き先代から一回り拡大され、Eクラスに迫るサイズになりました。車両重量はセダンが1,490~1,790kg、ステーションワゴンが1,550~1,870kgで、ボディ拡大にも関わらず先代とほぼ同等に抑えられています。
サスペンション形式は前:4リンク式/後マルチリンク式で、ショックアブソーバーはスプリング式が2種類設定される他に、CクラスとしてもDセグメント車としても初となるエア式の「エアマティックサスペンション」が設定されました。駆動方式は伝統に倣いFRを基本としながらも、日本向けのCクラスとして初となるフルタイム4WDが一部グレードに採用されました。
日本仕様は3種類のガソリンエンジンでスタート
エンジンは欧州仕様にはディーゼルも設定されるものの、日本仕様にラインナップされたのは全てガソリンで、まず最初に1.6L 直4ターボ(最高出力156ps/最大トルク25.5kgm)の「C180」シリーズと、2L直4ターボ(最高出力184ps/最大トルク30.6kgm)の「C200」シリーズ、そして同ハイパワー版(最高出力211ps/最大トルク35.7kgm)の「C250スポーツ」が発売されました。
トランスミッションはいずれも7速トルコン式ATで、駆動方式は全車FRとなります。燃費は、同一グレード同士の比較で先代から20%以上向上しました。装備面では、ミリ波レーダーとステレオカメラを組み合わせた「Sクラス」譲りの安全運転支援システム「インテリジェントドライブ」が装備される他、ステーションワゴンには荷室の使い勝手向上やテールゲートの開閉操作を容易にする為の様々な機能が搭載されました。
ハイパフォーマンスモデルを追加
そして2015年3月に、Sクラスを彷彿とさせるフロントグリルを採用すると共に、様々な特別装備が備わるセダンの限定モデル「C200エクスクルーシブラインリミテッド」が発売されました。次いで5月に、高性能エンジンを搭載すると共に専用の内外装や足回り、強化ブレーキなどを装備したハイパフォーマンスモデル「AMG C63」と、更なるパフォーマンスを追求した「AMG C63S」の受注が開始されました。
搭載されるエンジンは、先代の「C63AMG」の6.2L V8 NAから新開発された4L V8ツインターボに置換され、ダウンサイジングされながらも「AMG C63」が最高出力476ps/最大トルク66.3kgm、「AMG C63S」が最高出力510ps/最大トルク71.4kgmの「C63AMG」を凌ぐスペックが備わります。トランスミッションは7速湿式多板クラッチ式AT「AMGスピードシフトMCT」で、駆動方式はFRのみが設定されます。
更に7月に、「C250スポーツ」と「AMG C63」の間を埋めるグレードとして、3L V6ツインターボエンジン(最高出力367ps/最大トルク53kgm)を搭載し、フルタイム4WD方式を採用した「C450 4MATIC」が追加されました。そして8月、3代目モデルのまま販売が継続されていたクーペの新型が公表されました。セダン/ステーションワゴン同様先代からボディが一回り拡大され、より流麗なボディラインが備わります。