ダイムラー・ベンツ(現ダイムラーAG)は1993年3月、ボトムレンジを担う「190」シリーズの後継車種となる初代Cクラス(W202型)を発売しました。ボディサイズが拡大され後席の居住性が改善されると共に、サスペンション形式の変更により操縦安定性と乗り心地の向上が実現しました。又、追って190シリーズには設定のなかったステーションワゴンが加わりました。
ウェッジシェイプのスタイリングに
当初は190シリーズ同様4ドアセダンのみが用意されたボディは、ウェッジシェイプの採用によりモダンなスタイリングに変貌しました。ボディサイズは全長4,495mm×全幅1,720mm×全高1,420mmで、全項目において190シリーズから拡大されると共に、日本市場においては全車3ナンバー登録となりました。又、ホイールベースは25mm延長され2,690mmとなりました。
駆動方式はFRを踏襲し、搭載エンジン及びグレード体系は、当初ガソリンは1.8L直4(最高出力122ps)の「C180」、2L直4(最高出力135ps)の「C200」、2.2L直4(最高出力150ps)の「C220」、2.8L直6(最高出力193ps)の「C280」が、ディーゼルは2L直4(最高出力75ps)の「C200DIESEL」、2.2L直4(最高出力95ps)の「C200DIESEL」、2.5L直5(最高出力115ps)の「C250DIESEL」が用意されました。
トランスミッションは、5速MTと4速トルコン式ATが設定されました。サスペンション形式は、フロントはそれまでのストラット式からダブルウィッシュボーン式に変更され、リアはマルチリンク式が踏襲されました。又、グレード体系の面では、室内の仕様や足回りのセッティングが異なる「クラシック」「エレガンス」「スポーツ」「エスプリ」の4タイプが設定された事が特徴でした。
そして1995年、ガソリン車の新たなラインナップとして、2L直4スーパーチャージド(最高出力180ps)搭載の「C200コンプレッサー」、2.3L直4NA(最高出力150ps)搭載の「C230」、同スーパーチャージド(最高出力193ps)搭載の「C230コンプレッサー」、3.6L直6NA(最高出力280ps)搭載の「C36AMG」が追加され、C220はC230と置き換えれる形で廃止されました。
直6エンジンをV6/V8エンジンに置換
次いで1996年にはステーションワゴンが追加された他、セダンのフェイスリフトが実施されました。同時に、C230に代わり2.4L V6エンジン(最高出力170ps)搭載の「C240」が、C36AMGに代わり4.3L V8エンジン(最高出力306ps)搭載の「C43AMG」が設定されました。又、C280のエンジンがそれまでの2.8L直6から2.8L V6(最高出力197ps)に置換されました。
続いて1998年、C43AMGに代わり5.4L V8エンジン(最高出力347ps)を搭載する「C55AMG」が設定されました。そして2000年6月にフルモデルチェンジが実施され、2代目W203型に移行しました。日本市場における初代Cクラスは、1993年10月にまずC220/C250ディーゼル/C280/C280スポーツライン/C36AMGの導入が開始されました。
そして1994年5月にC200/C200エレガンスが追加になり、1996年10月にはC220がC230に切り替えられると共に、C250ディーゼルがカタログ落ちしました。次いで1996年12月にC230ステーションワゴンが追加され、翌1997年にはマイナーチェンジ版に切り替えられると同時に、C230/C230ステーションワゴンに代わりC240/C240ステーションワゴンが設定され、C280スポーツラインは廃止されました。
同時に、C36AMGに代わりC43AMGが導入されました。次いで1998年に入ると、まず8月にC200ステーションワゴンが追加され、10月にはC55AMGが追加されると共にC200エレガンスがカタログ落ち、更に12月にはC43Tステーションワゴンが追加されました。そして2000年9月にW203型に切り替えらえれました。