ダイムラー・クライスラー(現ダイムラーAG)は、2004年に3代目「Eクラス・セダン」(W211型)をベースとしたプレミアム4ドアクーペ「CLSクラス」を発売しました。ヒエラルキー的にはEクラスとSクラスの中間に位置するモデルで、流麗なフォルムやサッシュレスドアの採用などスマートなエクステリア・デザインが好評を博し、ヒットに結び付きました。
空力特性に優れたボディ
ファストバックのボディは空力特性にも優れ、Cd値は0.3を実現していました。ボディサイズは全長4,913mm×全幅1,851mm×全高1,403mmで、Eクラスよりも長く広く、そして低いディメンションでした。ホイールベースはEクラスと同一の2,854mmで、フロント:4リンク式/リア:マルチリンク式のサスペンション形式も共通でした。
駆動方式はFRのみの設定で、当初の搭載エンジン及びグレード体系は、3.5L V6NA(最高出力272ps/最大トルク35.7kgm)の「CLS350」、5L V8 NA(最高出力306ps/最大トルク46.9kgm)の「CLS500」、5.4L V8スーパーチャージド(最高出力476ps/最大トルク71.4kgm)の「CLS55AMG」のガソリン3タイプと、3L V6ディーゼルターボ(最高出力224ps/最大トルク55.1kgm)の「CLS320CDI」が用意されました。
トランスミッションは、CLS55AMGには5速の、それ以外には7速のトルコン式ATが組み合わせられました。又、安全装備としてSRS6エアバッグシステムや電子制御ブレーキ「SBC」、横滑り防止装置「ESP」などが全車に標準装備されました。一方、室内はリアにセパレートシートを採用した4人乗り仕様で、内装は本革やウッドパネルを採用した豪華な仕様となっていました。
ラインナップを変更
そして2006年にガソリンモデルのラインナップが見直され、CLS500に代わり5.5L V8 NAエンジン(最高出力388ps/最大トルク54.1kgm)を搭載する「CLS550」が、CLS55AMGに代わり6.2L V8 NAエンジン(最高出力514ps/最大トルク64.3kgm)+7速トルコン式AT「AMGスピードシフト」を搭載する「CLS63AMG」が設定されました。
次いで2007年にガソリン3L V6 NAエンジン(最高出力231ps/最大トルク30.6kgm)を搭載する「CLS280/300」が追加され、翌2008年にはフェイスリフトが実施されました。そして2010年にフルモデルチェンジが実施され、現行C218型に移行しました。日本市場における初代CLSクラスは、まず2005年2月にCLS350/CLS500/CLS55AMGの3タイプが上陸を果たしました。
追って同年11月に特別仕様車「CLS500デジーノ」が、翌2006年2月に特別仕様車「CLS55AMG IWCインジュニア」が設定されました。次いで2006年9月、CLS500に代わりCLS550が、CLS55AMGに代わりCLS63AMGが導入されると共に、特別仕様車「CLS350 AMGスポーツエディション」が設定されました。
続いて2007年10月に特別仕様車「CLS350ダイヤモンドホワイトエディション」が設定され、翌2008年10月にはフェイスリフト版の導入が開始されました。次いで2009年6月に特別仕様車「CLS350グランドエディション」が、2010年5月に特別仕様車「CLS350グランドエディションスイート」「CLS550サウンドスイート」「CLS63AMGサウンドスイート」が設定されました。
そして2011年2月に現行C218型に切り替えられました。