ダイムラー・ベンツ(現ダイムラーAG)は1997年、同社初のクロスオーバーSUVとなる「Mクラス」をリリースしました。クロスカントリー型モデルのラインナップとして既に「Gクラス」が存在していたものの、軍用車両から発展したモデル故に一般向けではなく、より乗用車的なモデルを望む声に応え誕生しました。又、生産が北米に新設された工場で行われた事も特徴でした。
ラダーフレームシャシーを採用
ラダーフレーム式シャシーに架装される2列シート5人乗りの5ドアボディは、Gクラスのような無骨さとは無縁の都会的なスタイリングを纏っていました。ボディサイズは全長4,587mm×全幅1,833mm×全高1,807mm、ホイールベースは2,820mmで、Gクラスと比較すると全高が大幅に低いディメンションとなっていました。
サスペンション形式は4輪ダブルウィッシュボーン式で、駆動方式は電子制御式フルタイム4WDが採用されました。搭載エンジン及びグレード体系は、当初ガソリン3.2L V6SOHC NA(最高出力218ps/最大トルク31.6kgm)を搭載する「ML320」のモノグレード設定で、トランスミッションはトランスファー付の5速MT又は5速トルコン式ATが組み合わせらました。
デビュー翌年ラインナップを拡充
そして翌1998年に、ガソリン2.3L直4DOHCスーパーチャージドエンジン(最高出力193ps/最大トルク28.6kgm)搭載の「ML230」及び4.3L V8SOHC NAエンジン(最高出力272ps/最大トルク39.8kgm)搭載の「ML430」、そしてディーゼル2.7L直5DOHCターボエンジン(最高出力163ps/最大トルク37.7kgm)搭載の「ML270CDI」の3タイプがラインナップに加わりました。
更に1999年には、ガソリン5.4L V8SOHC NAエンジン(最高出力347ps/最大トルク52kgm)を搭載する「ML55AMG」が追加されました。次いで2001年のフェイスリフトで内外装の意匠が変更されると共に、ディーゼル4L V8DOHCターボエンジン(最高出力250ps/最大トルク57.1kgm)搭載の「ML400CDI」と、ガソリン5L V8SOHC NAエンジン(最高出力292ps/最大トルク44.9kgm)搭載の「ML500」が追加されました。
同時に、ML230とML430は廃止されました。続いて2002年、ML320に代わりガソリン3.7L V6SOHC NAエンジン(最高出力235ps/最大トルク35.2kgm)を搭載する「ML350」が設定されました。そして2005年にフルモデルチェンジが実施され、2代目W164型に移行しました。日本市場における初代Mクラスは、1998年8月にまずML320の導入が開始され、翌1999年5月にML430が、2000年5月にML270CDIが、2001年4月にML55AMGが追加されました。
次いで2001年10月、フェイスリフト版に切り替えられると共にML430はカタログ落ちしました。続いて翌2002年にML270CDIが廃止され、2003年3月にML320がML350に置き換えられました。そして2005年10月に2代目W164型の導入が開始されました。