メルセデス・ベンツのクロスオーバーSUV「Mクラス」は、1997年に初代モデルが登場し、2011年に発表され2012年6月から日本へのデリバリーが開始された現行型で3代目となります。2代目モデルから基本コンセプトを踏襲しながら、パワートレインの改良により動力性能や環境性能が改善された他、一部改良が行われた際に安全装備の充実が図られました。
スタイリングはキープコンセプト
ボディ形状は5ドアステーションワゴンで、フロントマスクや独特な形状のCピラーなど先代のイメージを色濃く受け継ぐと共に、同じカテゴリーの「GLクラス」や「GLKクラス」と比較すると、より都会的な雰囲気を醸すものとなっています。ボディサイズは全長4,810~4,815mm×全幅1,925~1.950mm×全高1,765~1,795mmで、先代から大きな変更はなく、「GLクラス」と「GLKクラス」の中間程度のサイズとなっています。
ホイールベースは先代と同一の2,915mmで、車両重量は先代から20~30kg程軽量化された2,120~2,370kgとなっています。サスペンション形式は先代同様の前:ダブルウィッシュボーン式/後:4リンク式を踏襲し、駆動方式も同様に全車フルタイム4WDとなります。日本仕様のパワートレインは先代同様に3種類がラインナップされ、それぞれ改良や置換により動力性能と燃費が向上しています。
発売当初のグレード体系及び搭載エンジンは、3L V6ディーゼルターボ(最高出力258ps/最大トルク63.2kgm)の「ML350ブルーテック4MATIC」、3.5L V6ガソリンNA(最高出力306ps/最大トルク37.7kgm)の「ML350 4MATICブルーエフィシェンシー」、5.5L V8ガソリンツインターボ(最高出力525ps/最大トルク71.4kgm)の「ML63AMG」で、トランスミッションは「ML350」系が7速トルコン式AT、「ML63AMG」が7速湿式多板クラッチ式ATとなります。
様々な安全・快適装備を搭載
装備面では、スイッチ操作によりパワートレインが悪路走行に適した特性に切り替わる「オフロードモード」や、ドライバーの疲労を検知し警告する「アテンションアシスト」、ヘッドライトのハイ/ロービーム切替を自動で行う「アダプティブハイビームアシスト」が全車に備わります。更に「ML63AMG」には、電子制御エアサスペンションやコーナーリング時のロールを抑える「アクティブカーブシステム」などが備わります。
そして2013年9月に一部改良を行い、ミリ波レーダー+単眼カメラによる安全運転支援システム「レーダーセーフティパッケージ」や、車両の周囲を俯瞰した映像をディスプレイに映し出す「360度カメラシステム」が全車に標準装備されるなど装備の充実が図られました。同時に、「ML350 4MATICブルーエフィシェンシー」の車名が「ML350 4MATIC」に変更されました。