2012年6月に発売された日産のワンボックス型バン/ワゴン「NV350キャラバン」は、1973年にデビューした初代「キャラバン」から通算すると5代目となります。デザインや荷室空間、装備、燃費などあらゆる面でライバルモデルの「トヨタ・ハイエース」を凌駕する事を目標に開発され、4代目キャラバンからは様々な点で進化を遂げています。
多数のボディバリエーションを設定
ボディは4代目キャラバン同様、独立したノーズを持たない純粋なワンボックス型で、片側スライドドアの4ドアと両側スライドドアの5ドア(バンのみ)が設定される点も同様となります。乗車定員は、バンには3人乗り/5人乗り/6人乗り/9人乗りの4種類が設定され、ワゴンは10人乗りとなります。又、乗車定員14人のマイクロバスもラインナップされます。
ボディバリエーションは、4代目キャラバン同様ロングボディとスーパーロングボディ、そして標準ルーフとハイルーフが設定される他、従来全車共通だった全幅が標準幅とワイド幅(バン/マイクロバスに設定)の2種類になりました。スタイリングは、フロントマスクの意匠やボディ側面のキャラクターラインが変更されイメージを一新すると共に、ハイエースに類似した雰囲気になりました。
先代からホイールベースを延長
ボディのスペックは、全長4,695~5,230mm×全幅1,695~1,880mm×全高1,990~2,285mmでホイールベースは2,555~2,940mm、車両重量は1,680~2,280kgとなっています。4代目キャラバンからホイールベースが大幅に延長された他、スーパーロング仕様の全長が拡大されています。サスペンション形式は、フロント:ダブルウィッシュボーン式/リア:リジッド・リーフ式を踏襲します。
駆動方式は従来通りFRがベースで、バンにはパートタイム式4WDも設定されます。エンジンは、2L直4ガソリンNAのQR20DE型(最高出力130ps/最大トルク18.1kgm)、2.5L直4ガソリンNAのQR25DE型(最高出力147ps/最大トルク21.7kgm)、2L直4ディーゼルターボのYD25DDTI型(最高出力129ps/最大トルク36.3kgm)の3種類が用意され、ワゴンにはこの中からQR25DE型が搭載されます。
トランスミッションは5速トルコン式ATの他に5速MTも用意されるものの、ワゴンは前者のみの設定となっています。発売当初のグレード体系は、バン/マイクロバスが「DX」と「プレミアムGX」、ワゴンが「DX」と「GX」で、その他にオーテックジャパンの手により専用の内外装が付加される特装車「ライダー」が各ボディに設定されました。
後に新グレードとしてバンに「クロムギアパッケージバージョンブラック」、ワゴンに「GX(オートスライドドア付)特装車」が追加され、現在に至っています。